東京都世田谷区 T様
重層長屋住宅と防犯対策
- 物件名
- クレール
- 間取/世帯数
- 1K×4世帯
- 完成/構造
- 2016年3月 軽量鉄骨造
- 取材日
- 2016年6月
各住戸の玄関が1階にあり、住戸ごと専用の階段や専用の通路で居室へ入る特徴をもつ重層長屋。この重層長屋は共同住宅(特殊建築物)には該当しないことから3階建てでも耐火建築物としなくてよい分コストが抑えられ、路地状敷地にも建築可能などメリットが多く、アパート投資で非常に人気があります。
ところが重層長屋タイプの計画で多く見受けられるのが、防犯対策の弱さによるニーズの取り逃がしです。例えば不要な侵入者を遠ざけやすいオートロック玄関は防犯設備ニーズの上位に挙がりますが、共用廊下や集合玄関が無い重層長屋にとって敷地形状により外構門扉でも設置が難しいケースは多いことでしょう。
一方で昨今は押し込み強盗から身体被害に及ぶような物騒な事件が増えるなど、防犯に対する入居者の意識は高まるばかりです。 人気のオートロックが設置できる事は望ましいですが、オートロック付だけが防犯対策ではありませんし、重層長屋においても安心安全な住まいを魅力的にアピールすることは可能です。
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弊社にて管理中の『クレール』は、重層長屋住宅の防犯性を高める工夫を上手に取り入れられた住戸です。❶玄関のピッキング対策 + ❷窓破りによる侵入対策 + ❸不在時異常や緊急時の駆付け対策の主に3つを複合し安心を確保しています。
具体的には
❶ ピッキングに強く複製困難なディンプルキーでダブルシリンダーを採用。
❷ 無色透明で鋭利なものでも通しにくい特殊なフィルムのおかげで、シャッターとでは光が取り込める点が大きく異なり、在宅時でも窓からの侵入対策が可能。シャッターが付かない滑り出し窓等にも有効な防止策です。
❸ 駆付けシステムまでは必要ないとお考えでしょうか?住宅を対象とした侵入犯罪について警察庁がまとめた平成26年統計によれば、侵入手段の約43%が『無締り』、次いで『窓破り』約35%、『合鍵』約5.6%と続きます。住戸内でどこか窓の閉め忘れがあった時センサーがお知らせする機能は便利ですし、万が一の失火時も早期対応できれば、オーナー様にとってもメリットは大きいと言えます。
❸さらに、最近の新築住戸では標準仕様になりつつあるテレビモニター付インターホンは訪問者の顔が見え、録画機能があれば留守を確認する不審者に対し防犯カメラの代役にもなります。
このように幾つかの防犯設備を併用することでそれぞれの長所を活かし、不足を補う相乗効果が生まれました。
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アパート投資である以上、計画の中には重層長屋タイプで少しでもコストダウンを図りたいという思惑もあるかもしれません。ですが入居者にとっては安心して送れる生活が不要になる日など来ないわけですから、防犯対策には妥協をせず、建築会社や管理会社と相談し効果的に取り入れてください。きっと資産価値の維持に貢献していくはずです。
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