賃貸住宅の給水・排水管メンテナンスについて
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今回は賃貸住宅の給水管・排水管メンテナンスについてお話ししたいと思います。
先日、埼玉県八潮市にて道路が陥没しトラックが落下してしまうという事故がおきました。
現在も捜索中ですが未だ運転手の方が見つかっておらず、安否を憂いております。
1日も早く救助されることを祈っております。
事故の原因は下水管劣化により周辺の土砂が下水管に吸い込まれたことが原因との事です。
その事故の後にも全国で複数の陥没や給水管の破裂により水が噴き出す事故が多発、各自治体も劣化している給水管や排水管の点検を順次行う方向となっております。
今回のような事故が今後起きないことを願っております。
さて、賃貸住宅の給水管・排水管メンテナンス方法ですが、給水管・排水管の種類で変わってきます。
【給水管・排水管の種類】
鉄管(鋼管)
・丈夫で耐震性あり、一昔前までは一般的な給水管として利用されておりました。
錆びやすく錆び部分にピンホールがあいて漏水することが多い。
樹脂管(ポリ管)
・現在、最も使用されているのが樹脂管です。
プラスチック製ですので錆びの心配がありません。
また、加工も容易で修理や施工費用も安価というメリットがありますが、急激な温度変化に弱く冬季に凍結したり、割れやすくなるというデメリットもあります。
塩ビ管
・腐食しにくく水流に対する抵抗が少ない。
【給水管・排水管のメンテナンス方法】
①鉄管(鋼管)
高圧洗浄(排水管)
・年数が経過した鉄管に高圧洗浄を実施すると、錆びの部分に穴が開いてしまうことがあ
ります。年数や状況により実施します。
ライニング工法(給水管・排水管)
・給水管・排水管の中に塩ビの塗料のようなものを入れて膜を張ります。
費用が高額になるのと、1度しか実施できないのがデメリットです。
※主に給水管に多く利用されます。
給水管・排水管の更新(給水管・排水管)
・排水管を交換する工事になります。既存の配管を撤去する場合もありますが、費用がか
なり高額になるため、露出配管を作ることが多いです。
赤い水が出たり水圧が弱くなるといった症状が出る場合は、給水管や排水管の内部が錆びている証拠です。その際は更新をお勧めします。
※鉄管更新の時期は30~40年となっております。
②樹脂管(ポリ管)・塩ビ管
高圧洗浄(排水管)
・年数が経過しても錆びないので高圧洗浄を実施できます。特にキッチンに繋がっている
系統の排水管は油脂が多く油脂が固まり詰まってしまうことが多いです。建物の規模に
よって変動しますが1~3年に1度は排水管洗浄の実施をお勧めしております。
ライニング工法(給水管・排水管)
・ライニング工法は実施できません。
給水管・排水管の更新(給水管・排水管)
・鉄管に比べて比較的安価で更新できます。既存の配管を更新するよりも露出配管を作り更新することが多いです。
※樹脂管更新の時期は30~35年、塩ビ管は40~60年となっております。
八潮の道路陥没事故は排水管の径が大きいのでIBIS2という小型のドローンで調査しましたが、賃貸住宅の給水管や排水管は径が小さく内視鏡検査を行い内部の調査することになります。
大型マンションでは区分所有者が修繕積立金を支払い予算がある程度ありますが、賃貸住宅ではオーナー様が修繕積立金を貯めておかなければいけません。
賃貸住宅の規模にもよりますが、給水管や排水管を更新するとかなりの費用がかかります。そのほかにもユニットバスやトイレ、キッチン、外壁塗装や防水工事等、年数に応じて多額の出費を伴います。
その際は建物自体を建替えてしまうといった方法もあります。
当社でもオーナー様から「入居者が入らなくなって賃料を下げることが多くなり収入は減ってしまったが、出費は増える一方だ。」といったご相談を頂戴することがあります。
そういったご相談の際には建物の建替えをご提案するケースも少なくありません。
当社では賃貸経営に関することはすべてサポートさせて頂いております。
長期空室にお悩みの方や修繕等にお困りの方、お建替えをご検討の方がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。
営業統括本部 開発営業部
大前 優