単身高齢者受け入れ体制のいま
今回は止まらない高齢化社会における賃貸物件への受け入れについて、触れさせていただきます。
2020年時点での単身高齢者世帯は全国で738万世帯となっており、2050年には約1.5倍近くの1,080万世帯を超えると言われております。
一方、賃貸物件の空き家が全国に約440万戸以上あることがわかっているようですが、これら空き家への単身高齢者の受け入れが思うように進んでいないようです。
単純に受け入れることへのリスクについて払拭または軽減できず、受け入れることへの不安感が現状を現しているのだと思います。
そこで期待されているのが2025年10月1日に施行されます「改正住宅セーフティネット法」です。
改正法では、
(1)大家が賃貸住宅を提供しやすく、要配慮者が円滑に入居できる市場環境の整備
(2)居住支援法人等が入居中サポートを行う賃貸住宅の供給促進
(3)住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化
この3つの柱で環境整備を推進するとしています。
上記、3つの柱を簡単にご説明しますと、
(1)はオーナーの不安感の払拭または軽減
(2)は支援法人による見守りサービスであったり見守り機能が導入された住宅の供給
(3)市区町村へ居住支援協議会を設置し、相談窓口を設ける(設置は努力義務)
等々、単身高齢者を受け入れるにあたって、オーナーの不安感を可能な限り排除する内容となっています。
特に弊社でも単身高齢者を受け入れる際に一番高いハードルと感じているリスクは、
・孤独死
・死亡後の発見の遅れ
でありますが、(2)のような見守りサービスや見守り機能が世間一般的になってくるだけでも受け入れのハードルがグッと下がってくるように感じます。
実際に弊社管理物件でも見守りサービス導入で受け入れを実現している物件もあります。
しかしながら、それらの見守りサービスや見守り機能がまだまだ一般的になっていない現状がありますので、弊社も導入数は多くありません。
また、昨今はNPO法人等をはじめ居住支援法人が空き家を借上げ、高齢者等の要配慮者へ住宅を供給する仕組みも散見されます。
それらの居住支援法人は定期的な訪問や安否確認を実施しており、今回の改正ではそれらの見守りサービスの実施する回数に対して、最低基準を定める方針でもありますので、より安心できる制度になっていくのではないかと考えます。
少し前から外国人の受け入れ対策がクローズアップされ一般的になってきましたが、これからの賃貸経営は単身高齢者の方々の受け入れ対策がより重要になってくるのではないでしょうか。
これからの賃貸経営については受け入れなければならないことが多くなってきます。しかしながら、ただ受け入れればいいというものでもありません。
そこには今まで受け入れづらかったリスクがあるという理由がありますので、そのリスクが払拭あるいは軽減できるのか対策を講じたうえでなければなりません。
その際は、お気軽に弊社へお問合せいただければ、昨今の市場でご提案が可能ですので、お気軽にご相談ください。
営業統括本部 開発営業部
夏 啓安