賃貸経営メールマガジン

2025年4月施行の「育児・介護休業法」改正が賃貸業界に与える影響とは?

不動産市況
2025/1/9

新年あけましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
今年もオーナー様にとって素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

今回は2025年4月から施行される「育児・介護休業法」の改正について、その内容と賃貸業界への影響について考察していきます。
この法律改正は、働く人々にとって大きな転換点となりますが、賃貸業界にも少なからず影響を与える可能性があります。

 

◇育児・介護休業法の改正内容

2025年4月に施行される改正育児・介護休業法では、以下のようなポイントが含まれています。

・育児休業の取得期限の延長

従来、育児休業は子どもが1歳になるまで取得可能でしたが、改正後は子どもが2歳になるまで取得可能となります。さらに、父親の育児休業取得も推進されることが強化され、企業には育児休業の取得を促す義務が課せられます。

・介護休業の取得権利の拡充

介護休業に関しても取得できる期間が延長され、対象となる介護者数や介護の範囲も広がる予定です。これにより、介護を理由に仕事を離れる人が増えることが予想されます。

・柔軟な働き方の推進

改正法では、育児や介護と仕事を両立させるための柔軟な働き方を企業に求める内容も含まれており、テレワークやフレックスタイム制度などの導入が加速するでしょう。

 

◇賃貸業界に与える影響

この育児・介護休業法の改正は、賃貸業界にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか?主に以下の3つの点が考えられます。

1. 住居のニーズの多様化
育児や介護が関わる家庭にとって、住環境の選定は重要な要素です。
例えば、育児休業を取得する人々が増える中、子育てしやすい住環境を求める声が高まることが予想されます。
広めの部屋や、保育施設が近隣にある場所、静かな住宅街に対する需要が増えるでしょう。
一方、介護休業を取得する人々が増える中では、バリアフリー対応の物件や、介護がしやすい間取りが求められる可能性があります。
特に高齢者や障害者向けに配慮された住まいが必要とされ、賃貸業者もこれらのニーズに対応できる物件を今後は提供することが求められるようになるでしょう。

2. 職場環境の変化による移住ニーズの変化
育児や介護と両立させるために、勤務時間や勤務場所の変更を余儀なくされる人々が増えると、住まいの選択基準も変わってきます。特に、テレワークやフレックスタイムの導入により、都市部から郊外や地方都市への移住が進む可能性があります。これにより、都心部の賃貸物件需要が若干減少する一方で、郊外や地方の賃貸市場に新たな需要が生まれるかもしれません。

3. 賃貸物件の選択基準に「ライフステージ」への対応が加わる
育児や介護をしている人々にとって、物件の立地や設備は非常に重要です。
新しい育児・介護休業法の施行により、賃貸物件の選択基準が「ライフステージ」に合わせたものになると考えられます。
例えば、子どもが小さいうちは広い部屋や公園が近くにある物件を選び、介護をしやすい環境として、段差のない玄関や浴室、手すりがついた物件などが求められるようになるでしょう。
これに伴い、賃貸業者は物件を提供する際に、ライフステージに応じた設備や間取りの提案を行うことがより重要になります。
特に、家族構成や生活の変化に対応できる「フレキシブルな住まい」の提案が求められる時代になると言えるでしょう。

 

まとめ

2025年4月から施行される「育児・介護休業法」の改正は、賃貸業界に少なからず影響を与える可能性があります。
住居のニーズが多様化し、柔軟な賃貸契約が求められる中で「ライフステージに対応する物件提供」がよりポイントになってくるでしょう。
また、テレワークやフレックスタイムの普及により、都市部と郊外の需要が変化する可能性もあります。
今後はこれらの変化を捉え、賃貸オーナー様は新築や既存のアパート・マンションのリフォーム含め、新しいニーズに応えるために柔軟な変化に対応していくことが求められるでしょう。

 

城東支店 開発営業部
原田 雅章

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