賃貸経営メールマガジン

建築費高騰でも、賃貸物件を計画して大丈夫?

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2024/7/30

皆様、こんにちは。
本日は夏(ナツ)が担当します。

 

皆様、ご存じのとおり、日本経済は様々なモノの物価上昇が起きております。
建築費も例外なく高騰しておりますので、新たな賃貸計画に対し、躊躇されている賃貸オーナー様も多くいらっしゃることは、弊社メルマガでも度々ご紹介させていただいております。

 

全国賃貸住宅新聞社の独自企画「賃貸住宅に強い建設会社 年間完工数ランキング2024」では、完工数増加はわずか27%、変わらないは30%、減少は24%、無回答は19%と増加したのか減少したのかが微妙なところです。

 

19%の無回答がどちらなのか次第で考え方は変わりますが、個人的には思ったよりも減少していないなと感じます。
あまり減少していないと仮定しますと建築費が高騰している現在、建築計画をされている方々は大丈夫なのでしょうか?

 

まず、現在の建築費はどの程度上昇しているのか?

 

建築(設)費の物価指標は一般の製品とは異なり、工業化されたハウスメーカーさんのように工業化されていれば別ですが、現地一品生産の特性が多いため、一般の製品と同じように市場価格の動向だけではとらえにくい性質があります。
※工業化された建築費も上昇しており、上昇していないという意味ではありません。

 

そのような性質や特性を含めて、建設費の一定の指標とすることができる数値を国土交通省はまとめてくれています。
その数値は「建設工事費デフレーター」といい、いつでも国土交通省のHPより閲覧が可能です。

 

この「建設工事費デフレーター」は、住宅・非住宅・工場・事務所やその他の建築物を構造ごとに、また道路や公園、漁港から空港までの土木的な建設工事費まで、多岐にわたる建設費を名目ごとに分けて、実質額に変換する目的で公表している指標です。

 

では実際にその指標を基に、現在の住宅にかかる建築費がどの程度上がっているのか見てみましょう。
今回は2005~2023年度の指標数値を見てみます。

 

【住宅総合 建設工事費デフレーター値】

建築費が最近大きく上がってしまった印象を持たれている方々が多くいらっしゃいますが、ご覧の通り2008~2010年の期間では、減少に転じているものの、実体や体感と異なる印象があるかもしれませんが、実は価格は概ね毎年上昇していることがわかります。

 

この「建設工事費デフレーター」という指標を見る限りでは、建築費が下がるといったことは起こりにくいということになります。
もしくは、上がり続けるといったところでしょうか。
したがいまして、建築費は待っていても下がらないと思った方がよいのかもしれません。

 

そして、ちまたでは賃貸市場の家賃上昇傾向があり、建築費が高騰したものの上昇した家賃で収益性が確保されているといった計画が見られます。
確かに家賃の上昇傾向は見られます。

 

しかしながら、その中でも、上昇した建築費分の収益性を家賃で強引に穴埋めしようとしているご計画は、引渡しから3・4か月以上経ても2/3以上が空室で苦戦している物件をよく見かけるようになりました。
上昇した建築費分を埋めようと過剰に家賃を上げすぎて相場を逸脱しすぎてしまっているのだと思います。

 

家賃相場が上がっているといっても、上がっている相場であったり或いは借り手が賃借できる家賃の上限があります。
あくまでも借り手側が払える家賃額でなければ、なかなか成約しづらいという単純なお話ですので、世間一般の方々の所得が大切であるということはゆるぎない事実です。

 

「日経平均株価がどうだ~」や「円安がどうだ~」はある程度までの日本経済に連動はしているものの、実体経済へ影響を及ぼすまではタイムラグがあります。

 

大手法人のベースアップが報道でなされているものの、大手法人は全国421万社のうち、わずか0.3%で1.2万社と言われております。
大半の中小企業でお勤めの方々へ影響が及ぶまでどの程度かかるかはわかりませんが、今起こっている家賃上昇の実体は1~2万円ではなく、数千円程度の緩やかな上昇が現実的であると思えます。

 

ましてや、今までよりも3~4万円上昇しているということはないかと思います。(もちろん物件の種別タイプや間取り、物件が存する地域性によりますが…)

 

ここまで述べさせていただいたように、思ったよりも建築計画が減少していない見方もあり、その正体は家賃の上昇であるということ。
しかし、上昇といっても上限があり、それは借り手の所得が関係しており、大多数の方々の所得が上がるまでまだ少し時間がかかるということは言えるのではないでしょうか。

 

現在の賃貸計画は案外収益性の確保という意味では、計画上の数字が意外にあってしまうように見えることもしばしばあります。

 

ただ、今までよりも賃料相場がわかりにくくなっているといった側面もあり、「その収益性は本当なのか?」、「無理やり収益性が確保されるようにした賃料なのではないか?」といった点は、様々な賃貸管理会社へ意見を求めた方がよろしいでしょう。

 

もちろん弊社でも計画当初の賃貸市場のご相談、セカンドオピニオン的なご相談でも無料でサポートさせていただいております。
「どう計画すればいい?」または「この計画で大丈夫?」、その他ご相談をいつも受け付けております。

お気軽に弊社へお問合せください。

 

営業統括本部 開発営業部

夏 啓安

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