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不動産投資の注意点 ~レントロールの信用性~

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2024/5/2

現在、泥沼化している中古賃貸物件投資の某金融機関による不正融資の問題の中で、レントロールの改ざんが行われ行員が関わったのではないかとして、

該当金融機関と被害弁護団のあいだで膠着状態が続いているようです。

 

焦点はこのレントロールの改ざんについて、行員が個別に関わったのか組織的に関わったのかで双方の意見がぶつかっているとのことです。

いずれにしろ、事実としたら大変なことです。

 

さて、今回はこちらの訴訟内容を深堀するのではなく、『レントロールの改ざん』或いは『改ざんまでいかなくても信憑性のないレントロール』は、

ごくごく普通に存在していることについてお話させていただきます。

 

①レントロールとは?

言うまでもなく、賃貸物件がいくらの賃料で貸し出されているかを住戸ごとに記載された一覧をさします。融資審査に必要な書類でもありますし、

購入希望者がどれだけ収益を見込めるか収支を計算し、物件購入の決意をする大切な判断材料でもあります。

 

②レントロールの改ざんで何が起きてしまうのか

当然ながら、レントロール記載の賃料が高ければ高いほど利回りが良くなり、収益性が高く見えやすくなります。さらには、売り手側は売却価格を高く吊り上げやすくなります。

なにか付加価値があったり、個別で購入者が高くても買いたい事情や競合購入者が多数に上り、相場や実勢価格よりも高い価格で購入せざるを得ない等は別のお話ですが、

レントロールの改ざんとなると、いわゆる相場や実勢価格よりも高い価格で購入させられる「高値つかみ」が起こります。

 

③改ざんされたレントロールとは?

今回の不正融資問題で改ざんされたレントロールの内容は、空室中である部屋が賃貸中となっていたり、実際の成約家賃より高い家賃を記載して「高値つかみ」をさせたと争われています。

 

④改ざんされていないレントロールでも注意が必要

事実と異なる改ざんは大胆すぎるといいますか、いずれ不正が発覚しますので、なかなかお目にかかることはないかと思われます。

しかしながら、事実と異なる記載である改ざんではないが、注意しなければならないレントロールが存在します。

 

それは、中古賃貸物件のレントロール内の空室住戸の「想定賃料」や竣工引渡し前の新築賃貸物件の「想定レントロール」です。

 

この「想定」というのが厄介なのです。

想定というぐらいですから、あくまでも推測に過ぎない賃料であり、しかも誰が推測したのかが大切です。

賃貸物件を扱う管理会社や仲介会社が責任をもった(成約できる賃料で)査定のうえ、算出しているものであれば安心ですが、

成約のことに目もくれず管理の契約を取りたいだけの管理会社の査定であったり、売主が算出した想定したレントロールであれば、

もちろんそこには高く売りたいという思惑を故意に絡ませることもあれば、無意識的に絡ませてしまっている希望観測的な賃料になる可能性があるかもしれません。

 

このように改ざんであればどこかに穴がありますが、信憑性のないレントロールは、見抜くことが非常に難しいです。

上記に挙げさせていただいた以外にも隠されたレントロールの事実があります。

決算書を読み解くのと同じようにレントロールも読み取るべきものがあるのです。

 

特に昨今は土地や建築費の高騰で賃料を高く設定しないと、収益性の高い物件に見せられません。

それが相場賃料であればいいのですが、そうでないことが散見され、それを取得した方は思いもよらない事態に巻き込まれます。

弊社では物件購入時や新築計画時のコンサルやセカンドオピニオンとして無料個別相談を実施しております。

賃貸物件の購入や新築計画の際には、安全性を確保できているか弊社へ調査の依頼を是非してみてください。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

営業統括本部 開発営業部

夏 啓安

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