「物流2024 問題」とは!賃貸でも宅配ボックスがより重要になってくる?
日本の物流が停滞すると危惧されている「物流 2024 年問題」。
この物流2024 問題を皆さんはご存知でしたでしょうか。
簡単にご説明すると【2024 年4 月からトラックドライバーの時間外労働の960 時間上限規制と改正改善基準告示が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、「モノが運べなくなる」可能性が懸念されており、このことを「物流の 2024 年問題」と言われています。】というもので、この緊急対策として、自宅の玄関前などに荷物を置く「置き配」やコンビニでの受け取りを選んだ消費者にポイントを還元することを政府が発表しました。これにより、宅配ボックスのニーズが今後さらに高まることが予想されます。
今回は「物流2024 年問題」と、賃貸住宅での宅配ボックスの普及についてお話ししていきます。
■置き配のポイント還元で再配達率半減を目指す。
「物流2024 問題」への対策として、2023 年10 月に行われた閣僚会議で「物流革新緊急パ ッケージ」が取りまとめられました。その施策は、大きく次の3 点から成り立っています。
① 物流の効率化
鉄道や内航へのシフトや物流施設の自動化・機械化の推進、ドライバーの労働負担軽減
② 荷主・消費者の行動変容
ポイント還元などにより、宅配の再配達率を下げる取り組み
③ 商習慣の見直し
荷主・元請事業者の監視体制の強化やトラック業界の多重下請け構造の是正など
このうち消費者に関連するのが②の荷主・消費者の行動変容で荷物の受け取り方法で「コンビニ受取り」や「置き配」を消費者が選択することで、ポイントが還元されるという仕組みです。
具体的な内容は今後決定されますが、これによって再配達率を現状の12%から、2024 年度は6%へと半減させるとしています
■宅配ボックスの普及率は?
置き配によってポイント還元がされるということであれば、存在感が増してくるのが「宅配ボックス」の存在です。「置き配」自体は玄関前や車庫、物置など様々な場所が指定できますが、宅配ボックスが最も安全に荷物を受け取れる方法の為、必然的に重要度も上がります。 株式会社LIFULL(ライフル)の調査報告によると、一都三県の賃貸マンション/アパートの中で「宅配ボックスあり」の物件割合を月毎に調べたところ、2023 年3 月以降緩やかに増加し、2023 年9 月には直近一年で最高となる 41.1%となった。
一方、賃貸住宅のお部屋探しをしている人にどれくらいニーズがあるかというと、物件探しの検索条件で「宅配ボックス必須」としている人の割合は 9 月時点で 58.9%でした。約 6割のニーズに対して設置が約 4 割と、賃貸住宅での設置が追いついていない状況が明らかになりました。
同調査では、「設備条件なし」と「宅配ボックスあり」の家賃相場(月額賃料の中央値)も比較しており、一都三県で「設備条件なし」物件の家賃相場は70,000 円。「宅配ボックスあり」は83,000 円で、月額で 13,000 円も違います。
もちろん、設置されているのは比較的築年が浅い賃貸住宅に多いため、宅配ボックスだけが家賃に影響しているとは一概には言えませんが月額 1 万以上違うとなると、大きい差であることが分かります。
まとめ
コロナ禍におけるネット購入・非対面受け取りの需要増で爆発的に普及が進んだ宅配ボックスですが、企業の出社回帰も相まってか、今現在においても引き続き普及が進んでいる傾向のようです。
今後、「置き配」へのポイント還元で、宅配ボックスのニーズはさらに拡大することが予想され、宅配ボックスを設置することで家賃が値上げするとまでは言えなくても、お部屋探しの選択肢としては大きな条件に挙がりやすくなることは明らかです。
このことから、新築は勿論のこと、現在宅配ボックス設置を検討されている方は
宅配ボックス設置を含む改修に補助金がおりる自治体もあるため、この機会に設置を検討してみてはいかがでしょうか。
城東支店 アンサー事業部
原田 雅章