第二の繁忙期「9月」の募集家賃動向
アットホーム株式会社が2023年9月の賃貸マンション・アパートの募集家賃動向を発表していました。
9月というと各企業の人事異動等で転勤が多くなる時期ですので、賃貸業界では第二の繁忙期と言われています。
2023年の5月に新型コロナウィルスが5類感染症に移行し、数年ぶりに通常運転の日常に戻りつつありますが、そんな第二の繁忙期の募集家賃動向は昨年と比べてどうだったのか、今回は東京都と神奈川県に注目して見ていきたいと思います。
まず『マンション』になりますが、
東京23区・東京23区以外・神奈川県の3エリアの平均家賃を見ますと、
東京23区
30㎡以下(シングル) 91,289円(前年同月から+3,387円)
30~50㎡(DINKS・ファミリー) 142,556円(前年同月から+8,779円)
50~70㎡(ファミリー) 216,648円(前年同月から+19,381円)
東京23区以外
30㎡以下(シングル) 60,171円(前年同月から+2,637円)
30~50㎡(DINKS・ファミリー) 88,740円(前年同月から+2,853円)
50~70㎡(ファミリー) 115,132円(前年同月から+6,014円)
神奈川県
30㎡以下(シングル) 67,625円(前年同月から+895円)
30~50㎡(DINKS・ファミリー) 95,010円(前年同月から+2,364円)
50~70㎡(ファミリー) 119,166円(前年同月から+4,289円)
東京都・神奈川県の単身・DINKS・ファミリー全ての間取りで前年同月から大幅に募集家賃が上昇しています。
東京23区の50~70㎡の間取りにおいては、約2万円もの家賃上昇となっていますので驚きました。
続いて『アパート』になりますが、
東京23区
30㎡以下(シングル) 65,490円(前年同月から+251円)
30~50㎡(DINKS・ファミリー) 104,482円(前年同月から+2,933円)
50~70㎡(ファミリー) 142,868円(前年同月から+8,552円)
東京23区以外
30㎡以下(シングル) 53,124円(前年同月から+541円)
30~50㎡(DINKS・ファミリー) 79,927円(前年同月から+2,666円)
50~70㎡(ファミリー) 102,140円(前年同月から+6,180円)
神奈川県
30㎡以下(シングル) 55,804円(前年同月から+1,242円)
30~50㎡(DINKS・ファミリー) 76,501円(前年同月から+3,136円)
50~70㎡(ファミリー) 94,324円(前年同月から+4,821円)
アパートにおいても東京都・神奈川県の全ての間取りで前年同月から募集家賃が上昇していました。神奈川県においては、全面積帯で2015年1月以降最高値となっているようです。
また、東京都・神奈川県以外の埼玉県・仙台市・名古屋市・大阪市・福岡市の5つのエリアでもマンションの全ての間取りの平均募集家賃が前年同月を上回っていますので、全国規模で家賃上昇の傾向が見られます。
「家賃が上がっていくことは良い事ではないか」
「景気が回復してきている」
と感じられるかもしれません。
確かにここ数年でファミリータイプの需要が大きくなっている印象はありますし、それに比例して新規ご計画の家賃査定依頼をいただいた際には、1LDK・2LDKの間取りのご計画が実際に増えてきています。
しかしながら、以前もメールマガジンでお伝えさせていただいたことがありますが、
これはあくまでも『募集家賃』です。
実際に重要なのはいくらでどんな条件で成約をしたのか、といった『成約家賃』だと弊社では考えています。
募集家賃が上昇している要因は善し悪し含めて様々考えられますが、「収支をよく見せる為」
に家賃を相場より遥かに高く設定していることが大きな要因だと思います。
その家賃で、なおかつ良い条件内容で成約することができるのであれば問題ありませんが、もちろんそううまくはいかないです。
そういった物件の成約事例を見てみますと、新築であっても当初の募集家賃から大きく減額されていたり、広告料が設定されていたり...とこれからの賃貸経営が心配になってしまう物件が散見されます。
「立地が良いから問題ない」
「サブリースだから安心」
といった考えはとても危険です。
そのエリア・市場に合った間取り・家賃・ご計画でないと安定した賃貸経営の実現は難しいかと思います。
弊社では賃貸経営の全てをサポートさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
神奈川支店 アンサー事業部
土屋 一夢