寒い季節こそ注意が必要!消防設備点検の重要さ
毎年、冬や春のシーズンになるにつれて、空気の乾燥や暖房器具の使用による火災のニュースを見ることが多くなっています。入居者や近隣の方の生命や財産、大切な資産である建物を守るためには対策が必要です。今回は火災による被害を最小限に抑える為に重要な「消防設備点検」についてご説明します。
まず消防設備点検とは、消防用設備等の設置が義務付けられている対象物件の関係者(所有者や管理者)に対し、消防用設備等を定期的に点検し、その結果を消防庁または消防署長に報告することが消防法によって義務付けられている点検を指します。
建物に消防設備が設置してある場合は、消防設備士又は消防設備点検有資格者による点検が義務付けられています。集合住宅の場合ですと設置が多いのは、消火器・連結送水管・自動火災警報設備・誘導灯などがあげられ、この設備がついている場合は点検対象となります。
消防設備点検には、「機器点検」と「総合点検」があり、年に2回の消防設備点検が義務付けられています。
「機器点検」は、主に外観点検と機能点検を行います。点検内容は、消防設備に損傷や劣化の有無、消防設備が適正に配置されているかなどの点検となり、6か月に1度の点検となります。
「総合点検」は、消防設備が問題なく機能するか実際に作動させたり、使用して異常がないかを確認するための点検となり、6か月に1度の点検となります。
消防用設備点検報告書は、集合住宅の場合は3年に1度管轄消防署への提出が必要となります。(1階が店舗などの場合は、1年に1度の提出の場合があります。)
実際にどのような機器や設備を点検するのか具体例を挙げます。
・消火設備
スプリンクラーや消火器など火災が発生した際に消防隊が火災現場に到着するまでの間に初期消火に使う設備を指します。
・警報設備
火災が発生した際に、天井に設置された熱・煙の感知器(円柱のもの)や非常ベル(赤いランプがついている発信機)を押して、周りに知らせる為の設備となります。
・避難設備
火災などが発生した時の避難用の設備のことを指します。この避難設備は避難器具と誘導灯や標識に大きく分けられます。避難器具は、避難はしごなど建物の外に避難するために使う補助的な避難設備のことを示し、誘導灯や標識は非常口の位置や方向を灯りや矢印で示します。
・消防用水
火災が起きた際に消火に使う水のことで、消防隊が消火活動の為、常時規定の水量が確保出来るものをいいます。
・消火活動上必要な設備
◇排煙設備
排煙設備とは、建物内で発生した火災から生じる煙を排除するための設備を指し、代表的なものとしては、排煙窓が挙げられます。
◇連結送水管
消防ポンプ車から送水口を通じて送水し、消防隊が放水口にホースを接続することで消火活動が可能になります。
消火器設置だけの物件で建物の延べ床面積(廊下を含める)が150㎡以下であれば、建物所有者による自主点検が可能ですが、点検報告書の作成及び管轄消防署への消防設備点検報告書の提出は必要です。ただし、消火器製造年数が5年未満の消火器に限り、5年経過後は消防設備士又は消防設備点検有資格者による点検が義務付けられています。
冒頭でも述べたように、火災が起きやすいシーズンでは火事を起こさない、被害を最小限に抑えるために日頃からの点検や対策が必要です。今回は、消防設備点検に纏わる簡単な説明にはなりましたが、ご不明な点や不安な点がございましたら、お気軽にご相談下さい。
城東支店 アンサー事業部
大野 駿太