司法書士立会いなしで不動産売買は可能?司法書士とは何?
タイトルの結論からお伝えしますと司法書士の立会いなしでも不動産売買はできます。
しかし、決済当日に司法書士がいないと、詐欺にあう危険性が高まる点に注意が必要です。
今回は司法書士がどのような職業なのかと、司法書士の立会いなしで不動産売買を進める場合のリスクや注意点をお伝えします。
◆司法書士の職業とは
司法書士(読み方:しほうしょし)とは、主に法務局・裁判所に提出する書類の作成や審査請求を行う職業を意味します。司法書士を名乗るためには法律に関する高度な知識が求められる国家試験に合格しなければなりません。ちなみに、英語で司法書士はjudicial scrivenerと表現します。
仕事内容は、登記業務、書類作成業務、供託業務、相続・成年後見業務などです。認定司法書士は訴訟代理・支援業務も可能ですが、個別の債権額が140万円を超える場合は裁判上・裁判外の代理ができません。
◆不動産売買決済当日における司法書士の役割について
1・当事者の本人確認・売買意思確認
決済当日、金融機関の本支店などで当事者間の本人確認を済ませます。続いて、登記簿で双方の物件に対する認識に間違いないかを確認した上で、売買意思を確認します。
2・ 必要書類の確認(署名捺印)
司法書士が必要書類(売主から権利証、印鑑証明書、買主から住民票など)を預かり、間違いないか確認します。この際、当事者は登記申請に必要となる書類への署名・捺印が必要です。また、売主が住宅ローンを決済日に完済する場合や、買主が住宅ローンを借りる場合は、司法書士が金融機関から抵当権抹消、抵当権設定に関する書類を預かります。
3・売買代金決済
司法書士が登記申請を行うことに問題ないと判断したら、売買代金の決済に移ります。売主・買主双方が支払う仲介手数料や、主に買主が支払う登記費用や司法書士への報酬もこのタイミングで精算することが一般的です。
4・登記
決済が終了したのち、司法書士は預かった書類を持参して法務局に向かい、登記申請をおこないます。登記が完了したら、司法書士から買主に権利証(登記識別情報通知)や登記完了証が渡されます。
決済当日は、司法書士が現場に立会います。司法書士が立会う意義は、買主が担保権の付されていない所有権を確実に得られる、金融機関が確実に抵当権を設定できるなどといった点にあるため、一般的に司法書士が現場に立会うべきと考えられています。
◆司法書士立会い無しに対するリスクとは
不動産売買で決済当日に司法書士の立会いなしで売買代金が動く場合があります。しかし、まったく司法書士が事前に本人確認や意思確認もせずに不動産取引が行われることはまずありません。特に不動産業者が仲介としてかかわっている案件では司法書士の立会い(事前面談含む)は必須であり、司法書士の関与なく行われることはありません。
仲介業者を介さずに売主・買主が直接契約を行い、売買代金の決済をする場合には司法書士の関与なく自分たちだけで行うこともできますが、その際には司法書士が当事者の本人確認・意思確認することなく取引を行うため、注意したいのが詐欺師・地面師の存在です。買主が登記上の所有者を装う地面師に金銭を支払うと、不動産は自分のものにならないにもかかわらず、お金だけ消えてしまいます。 なお、金融機関から融資を受けて不動産を購入する場合には、金融機関は司法書士の関与なしに取引を進めることはありません。
不動産売買で司法書士の立会いなしには大きなリスクを伴うことから、できるだけ司法書士立会いなしでは不動産売買を進めないことが大切になってきます。
まとめ
司法書士は、登記、書類作成、相続・成年後見などの業務を担う職業を指します。不動産売買では、決済当日に本人確認や必要書類の確認のために司法書士が立会うことが一般的です。
当事者同士が納得すれば司法書士の立会いなしでも不動産売買自体はできます。しかし、詐欺にあい金銭や不動産を失うリスクを避けるためおすすめできません。
決済当日は司法書士が立会い、確実に取引できるような状況にすることが大事になってきます。
弊社でも、司法書士のご紹介が可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
城東支店アンサー事業部 原田雅章