費用対効果を考えた設備導入を
全国賃貸住宅新聞やその他数多くの情報サイトで「賃貸住宅に関する設備ランキング」が毎年発表されていますが、ここ数年は「インターネット無料」・「宅配ボックス」・「オートロック」の3つが圧倒的な人気設備となっています。
またコロナ禍によってさらに需要が高まっていると考えられます。
しかしながら人気の設備だからといって何でもかんでも設置すれば良いかというと、そういう訳でもありません。
オーナー様から多くの建築コンサルティングのご相談をいただいている中で、どういった設備を導入するべきかのお話しも当然していますが、オートロックに関して言えば、計画上門扉タイプの物しか導入できない場合、門扉タイプですと乗り越えることが出来てしまう為、導入の是非を市場や立地等を鑑みてご提案しています。
インターネット無料に関しては一番需要がある設備といっても過言ではないですが、今入居者が求めているものは、無料かつ最大速度の速いインターネット回線です。
最大速度の遅い回線は当然オーナー様のランニングコストが安くなります。
それでも入居者負担が無ければ、「インターネット無料」と募集上は謳えますが、
前述のとおり最大速度の速い回線を求めている訳ですから、付加価値とはならず結局は入居者個人で回線を引くといった可能性が大いに考えられます。
また質の良いインターネット回線を導入すれば良いですか?と言ったご相談もいただきますが、これも賃貸戸数や立地等を鑑みて、中長期的な賃貸経営を考えた上で導入した方が良いのか、それとも賃料下落の抑制や周辺物件との差別化を図る為に数年後に導入の検討をしていただくのか、といったご提案もしています。
話しが少し変わりますが、「withコロナ」の普及により最近の設備・間取りにも変化が見られています。
コロナの流行の初期頃においては、「玄関手洗い」や「在宅ワークスペース」、「顔認証システムのオートロック」の導入などがちらほらと増えてきていました。またアウトドア需要が増加したことにより、シューズクローゼットや土間収納の導入も増えてきています。
中でも先日あるハウスメーカーさんの新築賃貸物件の見学をした際に、スピーカー付ダウンライトの設置がされていました。
入居者がスマートフォンなどとダウンライトをBluetoothで接続するだけで音楽が流せるといったもので、テレビとも接続することが可能なのでLDKのキッチンの上に設置すればテレビや映画を観ながら料理をすることができます。IoTの普及によってエアコンや照明の遠隔操作が可能な設備を導入している物件や、入居者個人で備え付けることも増えてきていますが、このように1か所だけの導入であれば費用も大きくないようですので、1つの付加価値としてご検討いただいても良いかもしれません。
管理会社としても募集する際に物件のアピールポイントとして推しやすい設備だと感じましたので今回ご紹介をさせていただきました。
新築計画時の設備や賃料下落を抑制する為にどうしていけば良いか、お悩みございましたらぜひご相談ください。
神奈川支店 アンサー事業部
土屋 一夢