建物の維持管理・メンテナンスの重要性
建物は定期的なメンテナンスをすることにより、長きにわたって使用することができます。
今回はメンテナンスの中でも共用部のメンテナンスの重要性に着目してお伝えします。
【共用部のメンテナンス】
■日常清掃
・掃き拭き清掃
・ゴミ拾い
・ゴミ置き場の清掃
・落ち葉の撤去 など
※(目安月1回~2回)
■定期清掃
・高圧洗浄
高圧の水を噴射する水の力で こびりついたカビや汚れを取り除く方法。
・ポリッシャー洗浄
モーターで円形のブラシやパッドを回転させて床の洗浄や床の磨き作業を行なう機械で清掃する方法。
※(目安年1回~2回)
■その他
敷地内に植栽があれば植栽の手入れや消防設備の点検など
日常清掃は弊社で行っている月1回の巡回清掃とはまた異なりますが、そこまで高度な作業はなく、簡単な清掃となります。また清掃時に異常を早期に発見し、報告による早期対応をすることもできます。
定期清掃は、日常清掃で落としきれない汚れを定期的に清掃します。
汚れというものは蓄積されてどんどん落ちにくくなってしまいます。
今は綺麗だと思っていても、気づかないうちに汚れが蓄積されて、いざ汚れを落とすとなったときに完全には落ち切らないという事態を招く恐れがあります。
共用部は不特定多数の方が出入りする場所であり、内見する人も必ず通る場所です。
その共用部の掃除が行き届いていて綺麗だと、住みやすい環境という印象がつきやすかったり、古くても築年数を感じさせなかったりします。メンテナンスの僅かな不備が、長期空室に繋がってしまう可能性があります。
そのようなことが起きないよう、綺麗な状態のうちから定期的なメンテナンスを行い、入居促進はもちろんのこと、ご入居者様にも長期入居して頂けるような、住みやすい環境づくりが重要だといえます。
更には、物件によっては共用散水栓が無い所があります。定期清掃で汚れを落とすには「水」が必須となります。共用散水栓がない物件には、空室の部屋の水道を使用するか、賃貸併用住宅であれば、オーナー様のご自宅の水道を使わせて頂く必要があります。
満室で賃貸併用住宅でもない物件ですと、退去が生じたタイミングで実施という方法になり、定期的に実施するということが難しくなります。外部から水を確保して作業する方法がございますが、その分作業費は割高になってしまいます。
このことから、定期的にメンテナンスを行うという点において、これから建築を考えている方は、共用散水栓の設置は必須だと考えた方が良いでしょう。また、共用散水栓が無い物件についても、場合によって設置の検討が必要となります。
専有部は退去者が出たタイミングで必然的にメンテナンスをしますが、共用部は大きなクレームや破損がない限り、そこまで汚れが目立たないからといって後回しにしてしまいがちな部分だと思います。
ですが、定期的な清掃がされている物件と清掃がされていない物件では、入居期間や成約率にも大きな差が生じるのでとても重要です。
だからこそ、意識して日ごろの整備を行い、他物件との差別化をはかりましょう。
運営推進事業部
関口緩奈