賃貸経営メールマガジン

水害に強い家

法律・条例・制度トラブル災害住宅設備地域
2021/11/4

 

近年の異常気象や地震等の影響により、国民全体の防災意識が高まっているように感じます。

その中でも被害額が拡大しているのが、水害です。国土交通省の調査によると、過去20年間の水害被害額の平均約6000億円に対して、直近5年間の平均は約1兆円にまで増加しているようです。

こうした状況下で水害対策を強化した賃貸住宅が登場し、注目を浴びています。

 

水害対策を強化した賃貸住宅とは具体的にどのようなものなのかご紹介します。

・水害が発生した際に真っ先に浸水する1階部分には強度が強く、原状回復もしやすいRC造を採用

・1階の開口部に止水版や止水扉を採用

・住戸を2階以上に設置(1階部分は共有スペースや駐輪場等として活用)

・変圧器や分電盤といった電気設備やインターネット設備等のインフラ設備を地上から1m以上に設置

・入居者用の保存食や飲料水、簡易トイレ、ソーラーパネル等の災害用品用の備蓄庫を上階に設置し備蓄する

 

このような水害対策が施された物件はまだまだ市場に少なく、希少性があるため、差別化に繋がり、周辺競合物件よりも高い賃料で成約に至る可能性があります。

また、2020年8月に賃貸借締結時の重要事項説明において水害ハザードマップの説明が義務化されたことも相まって、河川沿いエリア等の水害の可能性の高いエリアは敬遠される傾向がございましたが、そのようなエリアであっても上記のような対策が施されていれば、水害に対する安心感が高まり、より多くのお部屋探し中の方をターゲットにすることが出来ます。

 

一方で1階部のRC仕様や止水版・止水扉を採用することは建築コスト上昇に繋がりますし、住戸を2階以上のみとすると本来見込める1階部分の賃料収入がなくなりますので、短期的に見るとデメリットが大きく見えてしまうかもしれません。

 

ですが、水害の可能性が高いエリアにおきましては、先述したようなメリットが発揮されることに加え、オーナー様の大事な物件を護り末永く物件価値を維持することにも繋がりますので、ご計画地によっては長期的に見るとデメリット以上にメリットが大きくなる可能性があります。

 

賃貸建築をお考えでご計画地が水害の可能性が高いエリアである方はどうぞご参考にして頂ければと思います。

 

本社 アンサー事業部
谷 佳剛

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