賃貸経営メールマガジン

法22条区域について&~オンライン打合せ始めました~

法律・条例・制度
2020/6/4

 

皆様、【防火地域】という言葉はご存知でしょうか。
賃貸経営をされている方でしたら馴染み深い言葉だと思います。

 

【防火地域】または【準防火地域】は都市計画法第9条20項で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」とされています。
それ以外にその二つのエリアの外側に指定されている【法22条区域】という制限もございます。

 

ここで、【法22条区域】はあまり聞かない方もいらっしゃると思います。
まず、確認としまして【防火地域】と【準防火地域】について確認をしたいと思います。

 

【防火地域】とは都市の中心街地や主要駅前など建物の密集度が高い地域と緊急車両が通る幹線道路沿いに指定されます。
火災が実際に起きた際に建物の密集度が高ければそれだけ大惨事となりますし、火災の影響で建物が崩落し、幹線道路が塞がれると緊急車両が通行できなくなってしまう可能性があります。

 

防火地域内の建物は、延べ床面積が100㎡以下のものを除き耐火建築物にしなければなりません。

 

【準防火地域】とは
準防火地域は防火地域の外側の地域に指定される為、防火地域よりも制限は緩やかです。
準防火地域内の建物は、規模に応じて防火措置を施した建築物にし、防火性を高めて延焼の抑制を図ります。

 

防火地域が都市の真ん中に指定され、準防火地域がその周りに指定されて延焼しないようにする。
そのようにして大規模な火災を防ぐための規制が【防火地域】と【準防火地域】です。

 

それでは【法22条区域】とは何でしょうか。
【防火地域】と【準防火地域】に指定されていないエリアを【法22条区域】と指定されます。
これは都市計画法でなく建築基準法の22条指定区域によって指定されるものですので、そのように呼称されています。

 

【法22条区域】は【準防火地域】の外側に指定されることが一般的です。
規制が強い順番としては【防火地域】>【準防火地域】>【法22条区域】という感じです。

 

特定行政庁が、防火地域及び準防火地域以外の市街地について指定する区域内にある建築物の屋根の構造は、通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために、屋根に必要とされる性能に関して、建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものまたは国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物または延べ面積が十平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りでない。(建築基準法第22条第1項より)

 

というような条文になっていまして、ようするに、屋根を不燃材で造作するか、不燃材で葺くことを義務付けられた区域となります。
何故屋根が燃えにくい素材等にしなければいけないかというと、炎はうえに上がる性質のためそれで火災になることを防ぐという事です。

 

建物が【防火地域】【準防火地域】【法22条区域】にまたがるケースもあります。
その場合はより厳しい地域の規制が適用されます。

 

例えば【準防火地域】と【法22条区域】に建物がまたがる場合は、【準防火地域】の規制を受けることとなります。

 

ただし、耐火構造で自立できる壁の防火壁を設けた場合は厳しい地域の規制は適用されずに本来の制限を受けます。

 

この地域や区域においては分かりにくく、理解しにくい部分もございますし、それぞれで、建築できる構造も違ってまいります。
また、【防火地域】が指定されるような緊急車両が通る特定緊急輸送道路などの沿線建築物はいくつかの基準がありますが、建て替えの際、補助金もございます。ただ、緊急車両が通る沿線は入居者の目線に立ち、防音性能を高めたり等、地域の特性を見極める必要があります。

 

弊社にご相談いただければ、該当地域の特性をお調べしてどのような区域でプラン最適化もご提案させていただきます。勿論その区域にマッチするハウスメーカーや建築会社をご紹介させていただけます。
これは管理会社だからこそできるご提案だと思いますので是非一度ご相談ください。

 

東京本社 アンサー事業部

門脇 輝

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