地方だけではない 高齢化による賃貸経営のリスク
何年も前から少子高齢化・人口減・東京圏人口一極集中などが問題になっており、
データやニュースだけを見ると「地方の人口が減少していて、東京圏の人口は増加している」といった捉え方をしてしまうかもしれませんが、東京圏においてもこういった現象が見られる地域や街が存在しています。
横浜市栄区に「上郷ネオポリス」というニュータウンがあり、1970年に開発が始まった戸建て団地なのですが、2019年9月時点で868戸に約2,000人が居住しており、高齢者率が約50%と半数が高齢者という割合になっているようです。
全国の高齢者率が28.4%、横浜市の高齢者率が24.7%ですので、横浜市内にもこういった街があるのかと驚きました。
神奈川県内には他にも開発や建設から40年以上が経過した「ニュータウン」・「団地」が数多く存在していますが、
そのほとんどが住民の高齢化や建物の老朽化などの問題に直面しており、街を維持する事自体が難しくなっている自治体もあるようです。
改善に向け各団地の「入居希望者や入居者の属性」、「建物などの修繕履歴」、「空室率」などを洗い出し、課題を明確にし再生計画が始まっている団地もあり少しずつ改善が見られているようですが、どうしても時間はかかってしまうと感じております。
今の入居者を守る為に少しずつ改善していくことはもちろん大切ですが、築年数を考えると建替えの計画や、団地やニュータウンの再開発といった計画も必要になってくると思います。
話しは少し変わりますが、総務省統計局のホームページに人口推計の概要が載っていましたので下記に記していきます。
2019年10月時点(確定値)ですと
総人口:1億2616万7千人
15歳未満人口:1521万人
15~64歳人口:7507万5千人
65歳以上人口:3588万5千人
となっています。
それぞれの前年同月比が
総人口:27万6千人減少
15歳未満人口:20万4千人減少
15~64歳人口:37万9千人減少
65歳以上人口:30万7千人増加
となっており、総人口は9年連続の減少、65歳未満の人口が大きく減少している中高齢者の人口数が増加しています。
同時に東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の人口数は増加し続けており、総人口の30%近くを占めているようです。
実際の数字で見てみると、予想以上に人口減や高齢化が進んでいるなと改めて感じます。
東京圏において賃貸経営をされている方は、地方の話しだからあまり関係がないと感じられてしまうかもしれませんが、4,50年前のニュータウン開発のように地方以外でも賃貸経営に不安がある街やエリアが存在しています。
しかしながら、前述したように再開発や建替えの計画が進んでいくと街が一新し、周辺の駅や街の需要や注目度が上がっていくことが考えられます。
そうなると賃貸市場にも大きな影響があるかと思いますので、引き続き情報をチェックしてどう変化していくのか見ていきたいです。
管理会社や建築会社だけではなく、賃貸経営をされる方においてもリスクやリスク回避の方法などを再度理解していただき、ご一緒に安心安全な賃貸経営ができればと思っております。
弊社は高齢者や外国籍入居者への対応のノウハウも持っております。
少しでもご不安が御座いましたらお気軽にご相談ください。
神奈川支店 アンサー事業部
土屋 一夢