賃貸経営メールマガジン

これからの不動産を使った相続対策の注意点&賃貸経営セミナー『金融引締め時代のアパートを増やす、極秘融資テクニック!』

相続税
2020/2/13

 

相続税対策で不動産を利用される方は多いと思います。

そこで皆様には、相続税対策をされる際に注意点がいくつもありますが、

昨年の2019年8月の東京地方裁判所の判決で「相続税対策において

路線価が否定」された事例を今回ご紹介したいと思います。

 

まず、この裁判の流れを簡単に解説致します。

この裁判では、高齢の男性が相続税対策のためにマンション2棟を

13億8700万で購入したことから始まります。

この男性が数年後に他界し相続税申告となったのですが、

マンションの路線価での評価額は約3億3000万円、これから借入金の

債務控除を差し引くと相続税はかからないという申告になりました。

 

国税庁は、13億7800万で購入したマンションの評価額が3億3000万と、

市場の取引金額の約23%程度という極端に低い相続評価額になっている

ことに意義を主張し、不動産鑑定価格は12億7300万であるとして、

3億の追加課税を相続人に求めました。

 

これについて東京地裁は2019年8月に国税庁の主張を認めました。

判決理由としては、マンションが節税対策で購入したもので、路線価を否定し、

不動産鑑定価格での評価が妥当であるとみなしました。

 

つまり、相続財産の算定にこれまでの『路線価評価』が覆され、

『時価』での判決がなされてしまいました。

しかし、今回の判決は『路線価』と『時価』に大きな開きがあった事が

原因かもしれません。

このことから、今後は【購入価格と相続税評価額の差が大きい】ことに

注意をすることが必要になるようです。

 

相続人はこの判決を不服として控訴しているようです。

この東京地裁の判決が確定ではありませんが、今後の行方に注目です。

 

■まとめ

この判決では、原則的な評価方法である路線価方式が否定されました。

また判決には『財産評価基本通達第1章総則6項』・通称、総則6項と

いうものが適用されており、東京地裁もそれを認めた形となりました。

※規定内容として、(この通達の定めによって評価することが著しく不適当と

認められる財産の価格は、国税庁長官の指示を受けて評価する。)というもので、

総則6項が適用されると、評価額がどんでん返しされてしまう怖い規定です。

さらに怖いのが、どのような場合が(著しく不適当)に該当するのかが不明確で

ある点です。まだ地裁での判決なので、今後の動向を注意していこうと思います。

 

不動産を使っての節税対策を検討中の方は、独断で判断せず税理士に

まずご相談いただくことをお勧めいたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

城東支店 アンサー事業部 原田 雅章

 

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