「不動産業ビジョン2030」に見る10年後の不動産業①＆『アパートを増やす極秘融資テクニック！』賃貸経営セミナー
「不動産業ビジョン2030」に見る10年後の不動産業①
国土交通省の社会資本整備審議会産業分科会不動産部会は、昨年4月に新元号となる時期にあわせて、10年後の2030年の不動産業のあるべきビジョン（『不動産業ビジョン 2030』）を策定しました。オリンピック・パラリンピック東京大会後、10年の間には、様々な社会経済情勢の変化が予想されており、不動産を取り巻く状況も大きく変化すると見込まれます。これを受けて現実的な将来として想起し得る「2030年」をターゲットとした不動産業の中長期ビジョンがとりまとめられました。そこで、『不動産業ビジョン 2030』でとりまとめられた、不動産業を取り巻く現状や課題、将来像などについて賃貸業態にしぼって数回に渡りお伝えしたいと思います。
【賃貸業態の現状】
・賃貸住宅の管理
賃貸住宅の管理については、借主と貸主（所有者）の利益保護を図るため、2011年に賃貸住宅管理業者登録制度が創設された。2018年12月時点で、登録事業者数：4,287者となっている。近年では、賃貸住宅管理業者が、貸主（所有者）に一定の賃料収入を保証した上で物件を一括して借り上げ、これを第三者に転貸する、いわゆるサブリース契約に関するトラブルが多発しており、賃貸住宅管理業の適正化を図ることが喫緊の課題となっている。
⇒国土交通省も、サブリース契約におけるトラブルが多く発生している近年の状況を考慮し、賃貸住宅管理業者登録制度における賃貸管理業者の登録義務化を視野に入れた施策を早期に講じていくことが予測されます。サブリース契約に基づく賃貸管理業を行う弊社も、トラブルの根絶へ向けた不断の努力が求められています。（賃貸住宅管理業者登録制度については、当メールマガジンの2018年2月1日号でも触れておりますので、あわせてご覧ください。）
・賃貸住宅の供給状況
賃貸住宅は、住宅確保要配慮者、急増する単身高齢者、外国人などを含む多様な世帯にとって生活の場となっており、民営の賃貸住宅ストックは我が国の居住されている住宅ストックのうち約3割を占めている。近年の賃貸住宅の着工動向は、リーマンショック後に大幅に減少したものの、その後増加し、2016年、2017年は約42万戸程度の高い水準で推移してきたが、2018年は約40万戸となっている。
⇒上記のデータのとおり、毎年多くの賃貸物件が供給されている状況が続いています。供給過多の懸念は年々強まることが確実と言えます。競合物件間の厳しい競争を勝ち抜くために、入居者募集の方法や物件のリニューアルなど、様々な視点からの対策・提案が管理会社として弊社にも求められています。
今回は、不動産賃貸業態の現状を中心にお話致しました。次回以降、賃貸市場の環境変化や、これらを踏まえた2030年のあるべき不動産業の姿についてお話したいと思います。
運営推進部 岡野 明徳
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