賃貸経営メールマガジン

『転勤時の持ち家対処方法の実態』

不動産市況
2019/6/20

 

皆さんがもしサラリーマンで持ち家を所有し、勤務先から転勤の辞令を受けて転勤先へ転居しなければならない、という状況になった時、この持ち家をどのように取り扱うでしょうか。

 

先頃、東急住宅リース調べによる『ビジネスパーソンの転勤事情に関する調査2019』が発表されました。
転勤経験のある既婚男性と、夫の転勤に伴い一緒に引越しをした既婚女性を対象とした調査によると、転勤前の住宅が持ち家だった人の半数(51.7%)が住宅の対処(住まなくなった持ち家をどうするか)に苦労した、と回答しています。

 

このうち、持ち家を

①賃貸物件として第三者に貸した:37.1%
②空き家の状態で保有した:27.6%
③売却した:22.4%

と回答しています。

 

それぞれの対処法を選択した理由は、

①資産として手放したくなかったのと、老後の住まいとして持っておきたかったから
少しでも収入を得て、転勤先の借家の家賃にするため
住んでいない家は傷むし貸したほうが合理的だと思ったから
②短期間の転勤だったから
戻ってくることが決まっていたから
定年後に再びその家に住むつもりだから
③新築を購入したから
戻ってくることを考えていなかったから

となっています。

 

こうした理由を見てみると、転勤後の更にその先の生活(特に居住地)を考慮した時に、選択が分かれていることが読み取れます。

 

持ち家の対処法として最も多かった賃貸物件として第三者に貸し出した人の72.1%の人がこの対処法に満足した、と回答しています。
満足だった理由としては、

①家賃収入が得られた:74.2%
②綺麗に使ってもらえた:29.0%
③家の老朽化を防げた:29.0%
④元の勤務地に戻った時にまた住めた:29.0% 【複数回答】

などが挙げられています。

特に①については、持ち家を所有することによる固定資産税等の負担を考えた時、その原資を得られることにもなります。以上のように持ち家を賃貸物件とすることで得られる様々なメリットを感じる人が多いのが実情のようです。

 

ここで持ち家を賃貸物件として貸し出す際に注意しなければならない点があります。
所有者が居住した後に持ち家を貸し出しますから、借主が居住する上で必要な設備のリニューアルやクロス・床などの内装工事を中心に、場合によっては大規模なリフォームを行わなければなりません。賃貸物件として第三者に貸し出す前提としての先行投資が求められます。

 

また、転勤後、戻ってくることが確実である場合に持ち家を貸し出す時には、定期建物賃貸借契約を活用して、第三者に貸し出す期間を戻るまでの期間として、賃貸契約解約後スムーズに持ち家に戻れるようにあらかじめ手を打つことが重要です。かりに普通賃貸借契約とした場合、持ち家に戻ろうとする際に立退き交渉の必要や、立退き料の負担が発生することが考えられます。借主との交渉の難航や、多額の費用負担の発生などのリスクが高い状況は回避していかなければなりません。

 

皆さんが転勤で、現在居住中の持ち家から離れなければならない状況となった際には、将来の生活プランを踏まえ、持ち家の上手な対処法を選択して頂ければと思います。

 

運営推進事業部 岡野 明徳

 

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