皆さんこんにちわ和田です。
今日は、積水化学工業株式会社 住宅カンパニーが行った入居者のアパート決定理由と世帯別に異なる重視項目についてのアンケート調査をご紹介します。
・調査対象:セキスイハイムアパート入居者(首都圏、近畿圏、中部圏、東海圏)
・有効回答数:327人
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1.アパート決定理由
1位 「家賃」
単身者、ファミリー層とも『家賃が予算に合った』が1位もしくは2位でした。
結局は予算ありきという事です。当たり前の結果のようですが、大事なのは部屋探しをする時、予算の上限は決まっているということです。ですから、設備や仕様のグレード上げて、賃料をUPさせようとすると予算の範囲から外れてしまう入居者がでてきます。
2位 「交通の便」(単身者)・「駐車場の確保」(ファミリー層)
単身者男性、単身者女性とに高い回答だったのが交通のの便の良い物件です。
逆にファミリー層は駐車場の確保になっています。ファミリー層はマイカーの保有率が高いので駐車場は必ず必要になりますので、その代わり駅から遠くなるなどの交通の便の悪さは多少ガマンしようということでしょうか。
2.部屋選びの最重視ポイント
「外観」、「性能」より「間取り」(居住空間)、「設備」、「環境」を重視
部屋選びの最重視ポイントとしてスコアが高いのは「間取り」(居住空間)、「設備」、「環境」。「外観」や「性能」は意外とスコアが低いのが注目されます。世帯構成別に重視ポイントを表にすると以下の通りです。 |
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単身男性 |
単身女性 |
夫婦・カップル |
夫婦と子供 |
外観・共用部分 |
23.1 |
30.9 |
28.6 |
27.1 |
性能 |
38.5 |
32.6 |
41.9 |
39.6 |
間取り |
78.5 |
83.3 |
88.6 |
81.3 |
設備 |
61.5 |
82.3 |
76.2 |
72.9 |
環境 |
55.5 |
61.1 |
75.7 |
78.7 |
単身男性は他に比べていずれの項目もスコアが低くなっているのが注目されます。ただ「性能」については夫婦と子供の39.6%に次ぐ38.5%で、単身男性は「性能」重視ということが言えそうです。
3.単身者が重視する設備・仕様
単身男性は「デジタル環境」に関心、単身女性は「防犯設備」、
「サニタリー」を重視
「家賃がアップしても欲しい」+「あって当然」とする設備・仕様で、単身男性の特徴的なニーズは「光ファイバーなどのデジタル環境」が高いスコアとなっていること。
家賃がアップしても70%が欲しいとしています。対照的に単身女性はわずか32%しかありません。
単身女性のニーズが高いのは「ディンプルキー」84%(単身男性60%)、「防犯合わせガラス」77%(同41%)、「室内洗濯機置き場」95%(同79%)。男性と女性では重視ポイントがかなり違っています。
4.ファミリー層が重視する設備・仕様
子育て世帯は「安全面」(耐震性)、「健康面」(シックハウス対策)を
優先して選択
子供のいるファミリー層で希望する人が多く、かつ強く必要と思っている(家賃がアップしても欲しいと思っている)ものは、「安全面」(建物の構造、鉄骨・鉄筋など耐震性を重視)、「健康面」(シックハウス対策)の設備・仕様。子供のいる世帯だけに健康面の関心が高く「シックハウス対策」は70%以上が希望し、ほぼ同じ比率で家賃がアップしても必要だと答えています。「建物の構造」についても65%が希望し家賃がアップしても70%が欲しいと答えています。
単身者では「備え付けエアコン」のニーズが高いのに対し(90%弱が要望)、夫婦・カップル、夫婦と子供は60%内外。30ポイント近い差が出ています。
上記の結果から、アパート・マンションの建築を計画する上で参考になることが色々と読み取れます。例えば、交通の便の良いところは単身タイプ、そうでないところはファミリータイプを計画して必ず駐車場を設ける。予算の余裕がなければ外観よりも設備を優先させるなどです。入居者のニーズを的確に把握できれば、現在の供給過多と言われる賃貸市場でも安定した賃貸経営を行っていけるでしょう。 |
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