助成制度を使って賢い建替え・修繕
今週は黒沼が「助成制度を使って賢い建替え・修繕」と題してお送りします。
アパート・マンションの建設に際して、区の助成制度(支援)などを旨く活用して、建替えや修繕に役立ててはいかがでしょうか?
今回は、弊社の管理物件も多数あり、高円寺や荻窪など賃貸市場で単身世帯からファミリー世帯まで幅広く人気のあるエリアの杉並区にスポットをあてて見ていきたいと思います。
杉並区は、東京23区の西端に位置し、広さは23区中8番目。
都心周辺の住宅地としての性格が強く、住宅地が全体の8割を占めている都内有数の住宅地の住宅政策は、「杉並区住宅基本条例」(平成5年3月公布)に基づいて展開されています。
■条例を基本に区独自の様々な住宅施策を打ち出しています。
杉並区では、「良好な住環境の下で、良質な住宅が確保され、区民一人ひとりがゆとりある住生活を主体的に営むことができるようにすることを
目標とする」という、理念・目標を掲げて様々な施策が制定されています。
今後取り組む住宅施策の方向性として、2つの例を見てみましょう。
【1】人口構成のアンバランス解消のため、様々な世代が安心して暮らせるような住宅面での支援を図る
杉並区は20代前半の人口流入が多いという特徴を活かすため、若い世代でも適切な広さや設備の住宅を持てるよう、住宅施策を進めていくというもの。
持ち家の取得を促進することを基本に、定期借地権方式などによる新しい供給方法の普及や活用を図っていくというものです。
【2】新しい住まい方や、居住支援として、区にふさわしい住宅の仕様を提案。
例えば、屋上緑化された住宅、太陽光・雨水を有効に活用した住宅。健康に配慮した住宅などの提案といった、区にふさわしい住宅の仕様を区民や事業者と共に協議していくというもの。
上記の事を踏まえて現在杉並区が住宅を建てる場合に行っている、主な施策等について見ていきましょう。
■環境や防災に留意した助成制度
杉並区では、例えば豊島区のワンルームマンション税といった、具体的な建築の規制はありません。
前述の基本条例の理念・目標にしたがって、建築することが求められます。
その中で、環境や防災・住環境をよりよくしていく「住宅」の建築や修繕に対して
次のような助成制度を用意しています。
【1.狭あい道路拡幅整備事業】
狭い道路の多い杉並区では、建築基準法で定められている道幅4メートルに満たない、いわゆる「狭あい道路」が多く存在しています。
その為、区では「狭あい道路拡幅整備条例」を制定し、道路に接した敷地で建て替え、増改築を行う際には、同時に道路の拡幅も行っています。
具体的には、土地の所有者と交渉し、建物や門、塀の位置を後退し、4メートル幅まで道を広げるというものです。
門や塀などの撤去費用の一部を区が助成し、区が舗装・整備します。
【2.住宅用太陽光発電システム機器設置費補助 】
住宅用太陽光発電システム機器を設置する方を対象に費用の一部を補助しています。
店舗併用の住宅にも利用できますが、1度の利用に限られています。
【3.賃貸用住宅を所有者が修繕する場合の修築資金のあっせん】
以下の全てに該当する賃貸住宅を修繕する場合に、区が修築資金の斡旋を行っています。
◆修繕後の外壁及び屋根が防火または不燃構造であること
◆1戸あたり住戸専用面積が25平米以上、165平米以下であること
◆賃貸用住宅1棟あたりの前年の不動産所得が1200万円未満であること
(但し、耐震改修工事の場合は25平米未満でも可)
※店舗や事業所は対象外となっています。
このように、杉並区では、一戸建てや集合住宅にとらわれず、広い意味で「住宅・住まい」をとらえて、区が目指す街づくりのために住宅施策を推進しています。
あなたの計画地や所有物件のある市や区でどのような住宅関連の助成制度があるのか?一度調べてみてはいかがでしょうか?
最後までお付き合いいただき有難うございました。