更新料はどうなる??更新料裁判の行方?
皆さんこんにちは、佐々木です。
昨年は、更新料について、無効か有効かを争う裁判が数多く行われました。そのなかでも、8月と10月に行われた大阪高裁の判決は注目されました。この2事件に関しては、このメールマガジンでも書かせていただきました。
今までは、同様の裁判において、更新料は有効とする判断がなされるのが大半を占めていましたが、7月の京都地裁や8月の大阪高裁などで、「更新料条項は消費者契約法第10条に違反するので無効」との判決が下されました。
これには、賃貸業界は大いに揺るぎました。
「更新料はこの先どうなるのだろう?」
更新料無効の判決はマスコミでも大々的に採り上げられました。
これを境に、賃借人から更新料についての問い合わせが相次ぎ、更新の時期が近づいた契約については、賃借人が更新料の支払いに難色を示す、あるいは拒絶するケースが、判決前に比べて、格段に増えました。
将来的に更新料が取れなくなることに関しては、対処することができたとしても、過去に遡り、更新料の返還を請求された場合、賃貸人はたまったものではありません。「消費者契約法第10条に違反して無効」ということは、消費者契約法が制定された平成12年4月以降に契約更新した際の更新料がすべて「無効」となるわけです。無効となった更新料を返還するとなると、大変なことになります。
しかしながら、現状は、8月の高裁判決についても貸主側が上告しておりますし、10月の大阪高裁判決では、「更新料は消費者契約法第10条に違反せず、有効」との判決が出ております。こちらについても借主側が上告しております。
いずれにしても、最高裁の判決次第で、更新料の存在意義がある程度指標として確立されるのではないかと思います。賃貸業界でも、最高裁の判決を待って、今後の更新料に関する対応をとるものと思われます。
一番よいのは、今後、更新料が、単に商慣習として社会的に承認されたものでなく、一般的に賃貸借契約において、賃料と同等に「支払うべきもの」と法的に取り決めるか、若しくは更新料は支払わなくてもよいものにするか、はっきりするべきなんですよね。
お付き合い、ありがとうございました。