更新料訴訟の波紋
皆さんこんにちは、今回は佐々木が担当いたします。
私の回では、更新料訴訟について、繰り返し述べてまいりましたが、この更新料訴訟、最高裁の判決を待たずに注目すべき動きが見られました。
東京の消費者団体が管理会社を相手取って更新料に関する差止めを請求する訴えを起こしました。更新料訴訟については、主に京都・滋賀でのものであり、首都圏とは、更新料についての取り決めが異なるため、直ちに首都圏の更新料について当てはまるのかどうかは、各契約次第であるという考えが多く、最高裁の判決が出るまでは・・・、という流れでしたが、とうとう来るべきものが来たかという印象です。
更新料の差止め請求とはどんなものなのでしょうか。更新料の返還請求の場合は、借主がすでに支払った更新料を請求するというものですが、差止めとは、賃貸借契約における更新料の条文を差止め、今後使用出来なくするというものです。
もし、原告(消費者団体)が勝訴した場合には被告である管理会社は、更新料の条項を使用できず、実質更新料の設定が出来なくなります。
そればかりか、この判決を利用し、更新料の返還請求訴訟が、飛躍的に増える可能性があります。
また、他の管理会社で使用している更新料についての条文にも、少なからず影響が出るでしょう。
結果、更新料返還請求が増えた場合、貸主の経済的負担はかなり多くなります。この差止請求は、今後どういう判決が出るか、注目していきたいと思いますが、最悪の状況となった場合を考え、早急な対策が必要と思われます。
更新料差止請求については、今後もこの場で述べていきたいと思います。
お付き合いありがとうございました。