物件リフォームと入居者ニーズ?
前回は築年数が経過した物件でも入居者ニーズにあった間取りや設備にリフォーム又はリノベーションする事で、新築や築浅物件と充分に競合できる状況になってきているという所までのお話でした。
今回は、具体的にどんな設備をリフォームで追加・変更する事が入居者にアピール出来るポイントになってくるのかについて、特に単身入居者のニーズについて見て行きたいと思います。
今回もリクルート入居者アンケートを参考にしていきたいと思います。
「絶対欲しい設備」と「なくてもいい設備」ランキングから、「家賃が高くなるなら、なくてもいい」と思う設備・仕様のランキングですが、1位「床暖房」、2位「IHクッキングヒーターのキッチン」、3位「管理人さんがいる」、4位「洗浄機能付き便座」、5位「浴室乾燥機」、6位「TVモニター付インターホン」、7位「宅配BOX」「防犯カメラ」、9位「追炊き機能」、10位「新築」という結果になっています。
これに対して、「付いてなくて後悔した」と思う設備・仕様のランキングは、1位「追炊き機能」、2位「バス・トイレ別」、3位「洗浄機能付き便座」、4位「宅配BOX」、5位「独立洗面台」・「南向き」、7位「エアコン」、8位「2階以上」、9位「地デジ対応済み」、10位「クローゼット」・「TVモニター付インターホン」・「エレベーター」となっています。
この2つのランキング結果から「付いていなくて後悔した」と思う設備と「家賃が高くなるなら、なくてもいい」と思う設備に共通するものが多い事に気がつきます。
また一昔前の単身者用の物件では、削られやすい設備が多くランキングしている事にも気がつきます。
「付いていなくて後悔した」と思う設備の1位に単身者向けアンケートにも関わらず「追焚機能」がランクインしているのは正直驚きましたが、数年前から女性の間では
半身浴といって浴槽の半分位までお湯を溜めて、長時間入浴する方が多くなってきているようですが、そういった場合には確かに便利です。
男性でも「1回しか入らないのに湯船にお湯を溜めるのはもったいないと思いシャワーで済ませている」という意見は多いようです。
3位の「洗浄機能付き便座」については、新築物件では設置されている物件も増えてきていますが、中古の物件では付いていない物件が多い設備です。
今では、駅や飲食店の公衆トイレでも洗浄機能付き便座が付いている所が多くなってきていたり、20代の入居者の方などは自宅のトイレに付いていて子供の頃から付いているのが普通だと思っている方もいるかもしれませんね。
4位「宅配BOX」については、インターネットや通信販売で商品を購入するケースが増加している事も関係していると思います。時間や曜日を気にしなくても商品が受け取れるのは時間に制限がある単身者には非常に便利な設備だと思います。
最近では、屋外に設置できる商品や電源がなくても設置できる商品もあり、以前よりは設置環境の幅は広がっています。
また「TVモニター付インターホン」も新築物件では標準設備といっても良い位に設置されている物件が多い状況ですが、録画機能付きの商品などは、留守中に訪問した人を録画できたり、訪問販売を断る居留守機能が付いているものもあるので、防犯の面からも需要は高くなっています。
家賃を上げる事は難しいけれども、追加・変更する事で空室を解消したり賃料を据え置く事ができるのなら、試してみる価値はあると思います。
また、そうは言っても先立つものがなければ・・・と考えているオーナーさんは多いと思いますが、設備に関して初期費用を抑えたリースを旨く活用する事でリフォーム工事の初期費用問題も解決できるとおもいますので、是非一度ご相談下さい。