2011年を振り返って
2011年を振り返ると入居者の動きが全く予測する事ができない異例の一年だったと思います。賃貸として一番入居者の移動が多い繁忙期の3月に震災が起きてしまい、その直後は入居申込みが入っているお部屋と退去予定の入居者の動きが止まってしまいました。入居者がお部屋探しで【耐震性】を重要視するキッカケにもなりました。
まず我々が一番恐れていたのが、計画停電のエリア発表です。1日2回の計画停電を実施するエリアもあり、もちろんエレベーターやオートロックと居室内を含めた全ての電気が使えない状況の中では、当然に入居率に影響しました。夏の消費電力量は更に越えると言われていましたので、計画停電が実施される神奈川県、千葉県、埼玉県の一部地域は賃貸として避けられ、夏は計画停電に強かった東京都に入居者需要が集中すると予測していました。
計画停電対策が整い、入居者が動き出した時に直面したのが、ガソリン不足により引越しが出来ない状況でした。食料品など、コンビニやスーパーから物が消える事態でしたから、仕方ありません。当時良かった事は大学の入学式が5月になり、4月も大学生のお部屋探しが続いていましたので、例年より1ヶ月長い繁忙期であった事です。
しかしその後の5月は入居者の動きがふたたび止まります。そして、津波の想定を大幅に引き上げたハザードマップの見直しがされている中で、現在でも賃貸および売買では、の近くが避けられている傾向にあります。
そしてその次はホットスポットという放射線量の高い地域が次々と発表され、発表された地域の影響も少しはあったでしょう。
また急激な円高やタイの洪水は様々な企業を苦しめ、サラリーマンの年収が落ち込みました。新卒者の内定取消のキャンセル理由を耳にする事もありました。賃貸市場としては、例年は6月以降の梅雨時期や暑い夏の入居者の動きが鈍るものですが、今年は6月以降、毎月安定した入居者の動きがみられました。
とは言え、広い間取りや高級エリアなどの20万円をこすような高額賃料物件が特に動きが鈍く、確実に全体的なエリアでの賃料が値下がりしたと実感しています。
では、賃料を大幅に下げないと入居者が決まらないかというとそうではありません。
当時から間取りや設備に注力し、オーナーのこだわりがある賃貸物件は根強い人気で、震災前の賃料で推移しています。
逆に、築年数が浅くても当時差別化を図らず標準仕様で建てた普通の賃貸(1口ガスコンロなど)は、入居者に選ばれずに大幅値下げを余儀なくされています。つまり、勝ち組賃貸と負け組賃貸がはっきりしてしまったのです。
住宅エコポイントが突然に7月末着工で終了した為、年内に完成した新築賃貸が多く、来年の繁忙期には新築賃貸が例年と比べ少ないのではないかと思います。
以上のように、これ程までに例年と違う年は初めてですが、何も悪い事ばかりではありませんでした。賃貸業界全体が注目していた更新料の最高裁での判決が原則として有効となったのです。
この判決結果が逆だとしましたら、どうなっていただろうと思うと恐ろしいです。
一年を通してみると礼金収入の落ち込みや広告料の支払いなどで一件当たりの利益は減少したものの、賃貸借契約件数は格段に増加しました。
これは不景気になればなるほど都心部の強さの表れだったと言えます。
弊社もこの都心部において、経験を活かし、知恵を振り絞って2012年も勝ち組であり続け、更なる発展を遂げたいと思います。
来年もヒロコーポレーションをよろしくお願いいたします。
更にメールマガジンも皆様に喜ばれる内容を目指して努力していきます。