地震大国、日本の対応策
皆さんこんにちは。
本日は阿部が担当いたします。
東日本大震災からまもなく1年が経とうとしています。
震災以降、住まいにおいて快適性や利便性よりも重要視されるようになったのが、地盤の強さや耐震性。
昨年、メルマガでも触れた『住宅エコポイント再開』で盛り込まれた新たな項目も、【耐震改修】でした。
耐震改修でのエコポイント発行は、1981年5月以前に着工され、現行の耐震基準を満たさない住宅に限られます。
既存の賃貸アパートやマンション、大切な自宅を地震から守るには。
やはり、地震に強い建物を維持するということが大前提になってきます。
一方で、今年1月に東京都が新たに打ち出したマンションの認定基準。
この基準は、震災発生時にも住み続けることができるマンションを認定するもので、条件を満たしたマンションは『東京都LCP(Life continuity performance)住宅』と登録されることになります。
その条件は合計5つあり、建築基準法で定める耐震性を有することはもちろん、常用発電機を設置し、停電時にも水の供給や最低1基のエレベーター運転を行えること、また常用発電機で発生する熱を暖房などに使用できる設備が整っていることなどです。
そして『東京都LCP住宅』とは別に、実際に、非常用電源を導入する分譲マンションも発表されました。
蓄電装置を利用したもので、これにより、停電など非常時にもエレベーターを10時間程度運行することが可能になったり、ワンセグテレビやラジオ、スタンド照明の利用や携帯電話の充電をおこなうことができるようになります。
東日本大震災の際、都内では建物は壊れなかったものの、大規模停電や、その後の計画停電などの影響でエレベーターの運転が停止したり、水道が使えなくなるなどの問題が発生。
不便を強いられる状況を緩和しようと開発されたのが、この非常用電源を搭載した分譲マンションです。
これらの導入が進めば、
地震以降、高層分譲マンションの人気が下がりつつあった現状が打開されることが
予想され、分譲マンションのオーナー様などには朗報となるのでしょうか。
確かに、このような地震災害に強いマンションが完成することはとても魅力的ですが、
ネックはコスト。
非常用発電機を持つマンション自体がまだ少なく、この基準通りにマンションを作るとなるとコストがかかります。
投資用マンションの購入を検討しているオーナー様は、購入価格が跳ね上がってしまうと利回りが悪くなってしまうという懸念があり、
自宅用にマンション購入を検討している方も、購入価格が高くなって手が出なくなってしまうという危険性があります。
『東京都LCP住宅』の認定制度は強制力のあるものではありませんが、認定外となれば、評判や評価が下がってしまうでしょう。
世界有数の地震大国、日本。
災害に強い家づくり。賃貸づくり。
“地震と共に”が永遠のテーマであることを痛感します。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。