賃貸経営メールマガジン

賃貸建築中に起こるリスク

2013/5/30
賃貸経営・アパート経営ならヒロ・コーポレーション

皆さまこんにちは。東京でも梅雨入りが発表されましたね。

本日は阿部が担当いたします。

アベノミクス効果が様々なところに波及し、株や投資信託、不動産経営に積極的に取り組む人が急増しました。マネーセミナーをはじめ、不動産投資セミナーにも参加する人が増え、満員御礼の文字まで見かけるほどになってきました。

しかし、資産運用の一手段としておこなった賃貸経営が思わぬ事態を生んでしまうこともあります。

『もし、賃貸の新築を建築中に施主が死亡してしまったら・・・。』

今回は、弊社のオーナー様で実際に起こった事例を紹介させていただきます。

賃貸物件完成まで残すところ1ヶ月を切ったところで、お施主様の容態が急変し、突如お亡くなりになりました。

とても悲しい出来事ですが、賃貸建築中に相続発生となり、その敷地と建築中の建物の評価がどうなったのか。

まず、敷地の評価ですが、新築物件は一度でも入居者が入居していないと、貸家建付地の評価にならないとのこと。

建築計画中の土地は自用地(更地)として考えられてしまいます。

つまり、軽減なしの評価となりました。

通常、貸家の敷地は貸家建付地となり、自用地(更地)価額×(1?借地権割合×借家権割合)が適用されます。

(ただし、建て替えの場合は、また違った評価方法になるとのことでした。)

次に建物については、建築進行中の建築費の70%の評価となりました。

ただ、注意しなければいけないのが、『工事進行度合いに応ずる費用』の70%であるということです。

簡単な例で説明します。

建築費が5000万円で、工事が全体の2分の1まで進んでいたとします。

そうした場合、5000万円×1/2=2500万円に対しての70%が評価額となり、1750万円が相続税評価額となります。750万円の評価減ということです。

そして通常、ローンが実行されていて団信(団体信用生命保険)に加入していればローン契約者が死亡してしまった場合、その時点のローン残高に相当する保険が支払われローンが完済となりますが、今回は建物が完成していないためローンの実行も開始されておらず、さらには銀行口座も凍結。

早急に融資を受ける相続人を決めて手続きをしないと、建物の引渡しも行えません。

お金を支払わないと引渡しが行えず、入居時期が白紙になるため入居者募集もストップ。

今回は建物引渡しまで1ヶ月を切ったところでお施主様がお亡くなりになったため、入居者の申し込みをすべてキャンセルさせていただく形となりました。

今回のオーナー様は、資産運用ならびに相続税対策の一環として賃貸経営を計画しスタートさせましたが、思わぬ展開となってしまいました。

もちろんこのようなケースは稀であり、決して起こってほしくないことです。

しかし“死”は止めることができず、誰のせいでもありません。

賃貸経営は効果的な節税対策のひとつとして注目を浴びていますが、万が一のリスクもきちんと知っておく必要があるとあらためて感じました。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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