省エネ基準適合の義務化
みなさんこんにちは、清水が担当いたします。
今週は、今後の住宅価値について取り上げてみます。
“温室効果ガス排出量の6%削減”これは地球温暖化防止のため、日本が国際社会に果たすべき責任として掲げた目標でした。
一般家庭レベルには無縁であるようなスケールの大きい話に聞こえますが、実はこの削減対象の一端を担うのが、家庭部門をエネルギー起源とするCO2です。
家庭で消費されるエネルギーの6割以上が暖冷房と給湯だといわれており、住宅の断熱性能をより向上させ、これらのエネルギー消費を抑えることで省エネを促す措置がとられました。それが『省エネ基準』と呼ばれるものです。
省エネ基準は昭和54年に施行されたのち、平成4年には『新省エネ基準』、さらに平成11年の改正で『次世代省エネ基準』となり現行のものとなっています。
さらに現行の省エネ基準も、今年14年ぶりに改正され『改正省エネ基準』として10月1日より新たに施行されようとしています。
これまでは建物の断熱性能が判断基準の要となっていましたが、近年に給湯や照明のエネルギー消費量が高まってきたこともあり、改正後には建物全体のエネルギー消費量を評価しようというものです。また冷涼な地域との冷房効率も考慮し、温暖な都心部の省エネがより促進されるようになっています。
エネルギー消費量の計算に含まれるのは冷暖房をはじめ、換気、給湯、照明などの設備機器です。さらには太陽光パネルを使った再生可能エネルギーの発電や、エコキュートなどの省エネ効果が評価の対象に含まれるようになります。
この住宅の省エネ基準適合は、2020年にはすべての新築住宅に義務化される予定です。そうなれば、今後各メーカーや工務店等で新築される住宅の省エネ性能も、当然ながら底上げされていくでしょう。業界の生き残りをかけ、新たな商品が生まれるきっかけにもなります。
住宅を選ぶ側は、基準を満たしているかどうか、減税対象かどうか、ラインナップが豊富かどうかなど、新たな価値観で住宅を選択する時代になるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。