賃貸経営メールマガジン

賃貸借契約の多様化

2014/4/3

 

国土交通省は3月20日、昨年9月に有識者の検討会を設置し、議論を行ってきた

「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」の最終報告書を取りまとめ、

所有者(貸主)と利用者(借主)双方のニーズや懸念事項に対応した個人住宅の

賃貸流通に資する「指針」(ガイドライン)を作成した、と発表しました。

 

総務省の2008年調査では空き家の総数は756万戸となっており、

そのうち賃貸向けではない個人住宅が約270万戸もあるそうです。

今後、人口減少の傾向から考えると空き家はさらに増えていくことが予想されます。

ところが、個人住宅の賃貸流通や空き家の管理については、賃貸用物件と比べて

法整備が不十分であり、取引が円滑に行われているとは言い難い現状があります。

 

今回のガイドラインは、

「取組み推進ガイドライン」「賃貸借ガイドライン」「管理ガイドライン」

の3つで構成されていますが、注目すべきは「賃貸借ガイドライン」にある

『借主負担DIY型契約』です。

この『借主負担DIY型契約』と従来の賃貸借契約である『一般賃貸型契約』

との違いは、借り主が費用を負担しキッチンなどの設備変更や模様替えを自由

に行うといった賃貸契約で、貸したくても改修費用がない住宅所有者と、

賃料を安く借りて自分が必要と思う箇所だけ自由に改修を手掛けたいといった

借り主の双方の需要を満たす仕組みになっています。

 

このガイドラインにより空き家となっている個人住宅の賃貸流通が大幅に促進

するかというと、それは疑問です。

しかし取引ルールやガイドラインが整備されたり、契約形態の選択肢が増えることは、

賃貸市場にとって多少なりとも良い効果が期待できそうです。

また個人住宅の賃貸流通のみならず、賃貸用の集合住宅においても、今後は入居者に

とって自由度の高い契約形態や選択肢の多様化が必要になってくるのではないでしょうか。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

アンサー事業部 神奈川支店

和田 康幸

 

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