賃貸経営メールマガジン

借主負担DIYから考える今後の賃貸

リフォーム・リノベーション
2014/4/24

春は別れと出会いの季節。

新しいスタート!で気持ちがいいものの、やはり賃貸経営をされているオーナー様にとっては退去の増える時期ということで、ちょっと身構えてしまいますよね。

 

今年4月に国土交通省から発表された新たな指針、『借主負担DIYの賃貸借』。

これは3つのガイドラインのうちの一つであり、貸主が修繕を行わず現状有姿のまま賃貸し(賃料を相場より安く設定)、借主が自費で修繕やDIYをおこなう借主負担型の賃貸契約です。

 

4月に正式発表されたばかりで、どうなるのかはまだまだ判断できませんが、築年数がたった物件でも借主のアイデアによって素敵に生まれ変わる可能性が出てきました。

『借主負担DIY』の本来の目的は、戸建て空き家を減らして戸建て賃貸としての市場流通を促すことでしたが、戸建ての空き家対策だけでなく、通常の賃貸市場にも活用される動きを見せています。

 

このDIYは借主自らが補修や改装を行うことに加え、専門事業者に依頼して好みの設備交換やリフォームを行うことも含むため、工務店やリフォーム業者さんへの問い合わせも増え、彼らの工事対象のお客様が持ち家の方だけでなく、賃貸世帯の方も対象となれば仕事の幅がますます広がり、さらにはインテリアコーディネーターの需要も高まる…という相乗効果が期待できそうです。

 

今後、味のある中古物件が増えていくかもしれません。

オーナー様としても、自己負担や手間をかけずに貸せる上に、長期間住んでもらえる可能性が高まるので十分にメリットはあります。

 

ただ、この『借主負担DIY』は単身向けの物件では、あまり浸透しないように感じます。

また、築年数の経ってきた物件に対して有効であり、これから新築を建てようとする方向けではありません。

味のある新築物件を作るにはどうすればいいのか。

それにはやはり、賃貸のプロをご活用いただきたいと思います。

 

味があるといえば、築30年以上たった今もなお、話題にたびたび上がる賃貸マンションに『ドラード早稲田』があります。

 

 

外観から異彩を放ち、一見しただけでは賃貸に見えません。

築年数が30年以上経ってるような古さも感じられません。

ファンタジックで奇抜な外観はとにかく目を引きます。

この建物は、スペインの建築家ガウディを彷彿とせ、ひそかに外国人の観光名所になっていたりするようです。

反面、室内はさっぱりとシンプルで使い勝手良くデザインされています。

 

20年後の2035年、日本人口の40%以上は65歳以上という統計が先日発表されたばかり。

賃貸を作れば決まる、という一昔前の状況からますます厳しい状況に変化していくことが予想されます。

お年寄りの一人住まいが増え、ファミリー世帯の少人数化が加速していく中、それでも空室物件を作らないためには。

 

外観上でも、間取りでも、仕様・設備においても、個性的な賃貸物件が増えれば、持ち家志向のお客様も取り込むことができるかもしれません。

 

外国の賃貸は築100年のものも多く存在していますが、地震大国日本ではなかなか考えられないのが現状です。

しかし、『住まいは建てるのではなく直すもの』。そんな文化が少しずつ浸透し、100年前の息吹を感じられるような賃貸物件が日本でも増えてきたら、日本はもっと見どころのある国になりそうです。

 

 

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