建築費上昇と今後の動向
皆さんこんにちは。本日は黒沼が担当いたします。
関東地方でも今日以降は、雨または曇りの天気予報が発表されどうやら梅雨入りのようですね。
近年上昇を続けていた建築費ですが、昨年に入ってからは更に上昇傾向を強めています。
要因は様々あると言われています。
その一つには、バブル経済崩壊以降続いた経済の低迷を背景に建設業の就業者数の減少が上げられています。
総務省の「労働力調査」によると、建設業就業者数は10年以上減少傾向が続いており、平成15年に約600万人いた就業者数は、10年後の平成25年には約500万人に減少しています。
昨年は、景気回復傾向による全体的な建設需要の上昇や消費税増税前の駆け込み需要が重なった事で、建設業界では需要に対して供給が追い付かない状態となりました。
職人不足が賃金の高騰を引き起こし、労務費の上昇が建築費を上昇させる結果となったのです。
もう一方で、円安に起因する建築資材の輸入価格の高騰も大きな要因となっているようです。当然の事ながら、円安が進めば輸入価格が高騰する事になりますが、昨年はアベノミクスの影響を受け、円安が進行しています。
建築資材についても海外からの輸入に頼る部分が大きい日本では、円安も建築費を押し上げる大きな要因となっています。
建築費については経済状況に左右される部分が大きく、今後の経済動向については、消費税増税の反動による景気の後退という懸念材料もあります。但し、東京オリンピック開催に向けてのインフラ整備などのプラス材料や、アベノミクスによる実体経済の本格的な回復も期待されており、消費税増税の反動よりも強い回復を見せるようであれば、インフレの進行と重なり、建築費は高止まりする可能性もあると考えられています。
建築費は賃貸経営の事業収支に大きく影響する部分である為、今後の動向に注意しながら、施工のタイミングも重要になってくると思われます。
今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。