連帯債務から単独名義の借換えが贈与の危険性
皆様こんにちは。本日は野崎がメルマガを担当します。
今回は連帯債務の借換えデメリットをお伝え致します。
主にマイホームや賃貸併用住宅を取得した場合になります。
安倍総理が新たなスローガンで『一億総活躍社会』を掲げました。
女性や高齢者がもっと活躍する社会という事ですが、総務省の労働力調査では、平成26年に共働きの割合は約60%になっており、現時点でも専業主婦より共働き世帯が多い事がわかります。
そして、共働き世帯が多い事から建物を建てる際の融資を単独ではなく、夫婦の共有名義にする場合があります。
賃貸を建築する時は、土地建物の担保評価の他に賃料収入が主な審査対象となります。それに対しマイホームを建築する時は年収が主な融資審査対象となる為、共働きの場合は夫婦で年収を合算して借りる方が有利になります。
そして今、ローン金利が非常に低くなっております。10月は欧州のドラギ総裁が追加緩和の姿勢を示し、中国が6度目となる利下げを決定しました。日銀の黒田総裁は追加緩和を見送りましたが、アメリカが利上げを検討しているのに対し、他の国が利下げ方向である事が要因ではないでしょうか。
今の低金利での融資は借り時と言えますが、以前から融資を受けている方が、現在の低金利で借り換えをしようとすると当時と家庭環境が変化し、子供の出産で奥様は収入がない専業主婦になっているケースも多いと思います。
ご主人の年収も当然に当時より上がっている可能性があるので、ご主人単独で融資の借換え審査を行い、審査が通ったからと借換えをしてしまいますと大変な事になります。
共有名義の連帯債務といいましても、実際はご主人の収入のみで返済していた事に変わりはないのですが、単独名義で借換えを実行すると奥様が返済する分をご主人が肩代わりしたとみなし、元々の奥様融資分残高に贈与税が発生してしまう事があります。
折角借換えにより総返済額が数百万も安くなると喜んでも、贈与税も同じく数百万にもなってしまうと意味がありません。
その場合は奥様の登記上の持ち分をご主人の名義にすると売買や贈与をした事になり、売買では不動産取得税が発生しますが、贈与税より安くなる場合があります。
更に『中古住宅の特例』により、不動産取得税が発生しない場合もあるのです。
・中古住宅の特例
(1)自己の居住用のものであること
(2)家屋の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること
(3)次の(イ)?(ハ)のうち、一つに該当するものであること
(イ) 取得日前20年(耐火構造のものは25年)以内に新築されたものであること
(ロ) 取得日前20年(耐火構造のものは25年)超に新築されたものであっても新耐震基準に適合している住宅であること
(ハ) 昭和57年1月1日以降に新築された住宅であること
賃貸併用住宅の場合は、住宅部分のみに適用になりますので、住宅部分が上記の床面積内でしたら中古住宅の特例が利用できます。
住宅部分のみは中古住宅の特例が利用できれば不動産取得税が発生しませんが、賃貸部分は通常通り不動産取得税が発生します。
※奥様の持ち分をご主人にした際に、購入当時より今の方が高く売れる場合には利益が 発生するので所得税が発生してしまう場合があります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。