賃貸経営メールマガジン

特区と農地利用&賃貸経営セミナーのお知らせ

2016/3/24

アベノミクスの成長戦略においての肝となっているのが『国家戦略特区』。

 

そもそも、特区とは何でしょう。

特定の地域で規制や税制を改革・緩和したり、その効果を調べるための社会実験の場と言われます。

特区で何らかの効果が出たと分かれば、全国に広げようという姿勢がこれまでは強かったと言えます。

2003年小泉政権時代に構造改革特区がスタートし、地方自治体などからの要望を受け、霞が関の関係省庁が認めるかどうかを実質的に判断してきました。

例えば、どぶろく特区なども各地に登場しました。

構造改革特区は約1200件認められ、そのうち120件前後がその後に全国に広がりました。

 

これまでは地方の要望を受け特区指定してきましたが、今回の国家戦略特区構想は政府が主導して特区の内容・地域を選びます。

これは国が主導するトップダウン型という点で今までの特区と違い国が戦略的に方針を決め、地方や民間事業者らが参加する特区諮問会議を通じて企業誘致・産業の活性化を推し進めるものです。

 

政府は国家戦略特区諮問会議で国家戦略特区を正式に決定しました。東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・成田市)、関西圏(大阪府・京都府・兵庫県)、兵庫県養父市、新潟市、福岡市、沖縄県の6カ所が選ばれています。

 

今回指定された6カ所の特区にはそれぞれどの分野で規制緩和を行っていくかが設定されています。

東京圏…外国人の在留資格を見直し国際ビジネスの拠点

関西圏…再生医療等の最先端医療の研究拠点

新潟市と養父市…農地売買の許可権限を見直し農地への企業参入を容易にする農業改革拠点

福岡市…創業5年以内のベンチャー企業の雇用条件を整え、企業を促進する雇用改革拠点

沖縄県…観光拠点

 

その中で、私たちに大きく関係が強い分野は民泊と農地改革だと思われます。

 

原則として企業が農業法人に出資できる比率は25%以下と制限されていますが、4月より施行させれる改正農地法で出資制限の比率が50%に緩和されます。

しかし、実質的に企業が農地を保有できる50%以上はまだ認めていられていませんが、農地保有への道を開いたこととなります。

 

現在は特区でも段階的な解禁で農地の利用がどのように変わっていくかはいまだ分かりませんし、農業団体からの反発もあります。農地売買に関しましては農地法の高い壁が存在しています。

 

しかし、農地所有50%超えが実現すれば、農地法の見直しも検討する段階に入るかもしれません。

戦略特区に指定された兵庫県養父市ではすでに農地売買を許可したと発表もされました。

農地売買・賃借の許認可権限は、特区指定を受け市農業委員会から養父市に移行していました。

このように農業委員会の権限を自治体に移譲し、農業への企業参入を促す構想に対して、農業団体からは反対の声もが挙がっています。

 

現状特区のみの適用ですが、将来的には農地の利用にも変化が出てくると思います。特に、農地の利用が代替わりなどにより変化する事例も出てきますので、その変化に対応するためには農地改革が望まれるケースもあります。

その際に農地の規制緩和がなされていると土地活用もますます活性化されると思いますので、長く、この施策を観察していく必要があります。

 

長文お付き合いいただきありがとうございました。

 

PICK UP
全カテゴリー注目NO1

RECOMMEND
オススメ記事

TOP