火災に強い街づくりの取組み
こんにちは。本日は黒沼が担当いたします。
阪神・淡路大震災は、都市部で起き、建物の倒壊に加えて大きな被害の原因となったのは、二次災害として発生した火災でした。
今後発生の危険性が高いと言われている首都直下型地震で、最も懸念されているのが、この地震による火災です。東京の都市部でも木造住宅密集地帯は思った以上に多くあり、耐震性のある建物であると同時に燃えない建物であることが重要になってきます。
木造住宅密集地帯の老朽化した木造住宅・木造アパートは、倒壊の危険性とともに、火災の危険性も含んでいます。こうしたことから被害を最小限にするために建替えなどの対策が急がれています。
東京都の木造住宅密集地域は、山手線外周部を中心に広範囲に広がっています。以前から東京都では不燃化対策を進めてきましたが、該当するエリアは、敷地が狭かったり、権利関係が複雑だったり、居住者の高齢化による建替え意欲の低下などが原因となり建替えが進みにくい状態にありました。
そこで、平成24年に「木密地域不燃化10年プロジェクト」が策定され、これまでの取り組みに加え、特に改善を必要としている地区に焦点をしぼり、区と東京都が連携して、手厚い助成を行い踏み込んだ施策を行っていくというものです。
特に甚大な被害が想定される整備地域、約7,000ヘクタールを対象に以下の目標が定められています。
◇市街地の不燃化を促進し、延焼による焼失ゼロの「燃えないまち」を実現⇒整備地域における不燃領域率を2020(平成 32)年度までに70%に引上げる。
◇延焼遮断帯の形成を促進し、「燃え広がらないまち」を実現
⇒整備地域における主要な都市計画道路の整備を2020(平成32)年度までに100%達成。
不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)は現在18区、計52地区で事業を推進しています。
※東京都都市整備局 不燃化特区の取組み(外部リンク)
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/mokumitu/torikumi.html
具体的な助成内容は、老朽化した建物の除去費(解体費)、戸建の建替えの際に設計費の一部を助成、そして、固定資産税および都市計画税の5年間減免です。
また、老朽化したアパートの建替えについては、特区外でも除去費、設計費、共同施設整備費に対して助成制度がある場合があります。23区以外でも不燃化促進のために独自の助成制度を設けているところもあるようですので、詳細は各自治体にご確認ください。
老朽化した木造住宅やアパートを耐震性・耐火性の高い住宅や賃貸住宅に建て替える事は、ご自身やご家族の生命や財産を守るだけでなく、災害や火災に強い街づくりにも繋がります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。