高齢者住宅の整備不足が招く賃貸業界の課題
皆さんこんにちは。
本日は神奈川支店の夏(ナツ)が担当します。
今回は、今後直面する高齢化社会における現在の不動産業界の動きと賃貸業界が抱える課題を考えていきたいと思います。
私の担当している神奈川県内の横浜市では2019年を境に人口減少が始まると言われています。
その中で横浜市は東急電鉄と提携し、更には住民を参加させたプロジェクトを計画。たまプラーザ駅前の120haの敷地を再開発を実施し、多世代をテーマにした高齢者が住みやすい街づくり計画を進めています。
バリアフリーなどの高齢者対応の集合住宅を建設し、住環境の整備。
駅に商業施設を設け、その中に下記のような施設を整備するようです。
・デイサービス施設 ・地域ケアプラザやクリニック
・保育園 ・コミュニティスペース
そして、同地域に更なる高齢者向け施設も建設をする計画です。
これにより高齢者と現役世代のバランスがとれた街づくりを構成し、コンパクトシティ化を促すことで高齢者の生活利便を向上させられます。
都内でも広大な敷地に分譲マンションとサービス付き高齢者住宅(サ高住)、介護サービス、保育園を同敷地内に計画した街づくりのモデルもあります。
コンパクトシティ化と言えば都市計画の策定等で区域指定を実施し、区域外では建築等の開発行為を抑制することで、行政が半強制的に促進させるイメージを持っていましたが、これは正に官・民が一体となり、自然な形で進行するコンパクトシティ化であると思います。
建築等の開発行為を抑制するような区域の指定がないことで、駅から離れた戸建住宅に住む高齢者は、利便性が高い駅周辺の住宅へ移住。
残された戸建住宅跡地等はリノベーションや再建築でアパートやマンションとして再生できます。
政府は地方創生の一環として、米国を参考にした『CCRC』(ContinuingCare Retirement Community)の日本版構想を策定し、高齢者の地方都市への移住を促しているようにも見えますが、住み慣れた町を離れ、人間関係を離れてまで知らない地方都市へと移住する意思を持った人は、決して多くなく限りがあると思います。 このような例がモデルとなり地方移住ありきではない首都圏内での移 住も選択肢になれば、高齢社会対策がいっそう進むでしょう。
しかしながら、首都圏内で今回ご紹介したような良質な環境に恵まれる方は一握りなのだと思います。 厚生労働省の東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏においての65歳以上 の高齢者向け施設・住まいの整備率は全国平均の4.1%に届いておらず、 賄いきれていない状況が続いています。
そして、いまだ低所得者の高齢者についても取り残されている感が拭えません。比較的費用負担が少ない特別養護老人ホームは約52万人ほどの入居待ちとも言われているからです。 自治体やNPO団体の活動や住宅セーフティネットの仕組みだけでは間に 合わないのでしょう。
私も実際に高齢者に対応した賃貸住宅の需要等のご相談を頂いております。 高齢社会に対応するべく、例えばデイケアサービス事業者との連携や行政との連携等あらゆる面で皆様のお役立てになるよう今後も考えて行きたいと思います。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。