貸家着工戸数の増加
皆様こんにちは。本日は和田がお伝えします。
2016年の貸家着工戸数が8年ぶりに40万戸を超える見通しであるとの事です。
着工戸数が増加した背景には、まず相続税の法改正が考えられます。
税制改正により基礎控除額が引き下げられ、課税対象者が増加したことと、税率が引き上げられたことで納税額が増えてしまう人が相続税対策のために賃貸物件を建てるケースが増えているのです。
ここ数年は、郊外での賃貸物件の供給が増加しているというデータもあり、地主さんが相続税対策をしているという裏付けとも言えるでしょう。
もう一つの要因は、昨今のアパートローン金利の低さです。
国内金融機関のアパートローンの融資残高は、過去最高を更新し続けています。
マイナス金利の影響もあってか、金融機関は競うようにアパートローンの新規貸し出しをしており、不動産投資は過熱ぎみです。
心配なのは、土地の価格が高止まりしており、人件費や建設資材の高騰により建物の価格も上がっている中で、最低限の仕様設備だけのコストを抑えた新築賃貸物件を最近よく目にするようになったことです。
賃貸物件は供給過剰が懸念されており、今後はますます勝ち組と負け組の格差が広がるものと思われます。
負け組にならないためには、コンセプトの明確な物件や入居者に人気のある設備を積極的に取り入れた競争力のある物件づくりが重要です。
最寄り駅から遠い立地や郊外に賃貸物件を建てる場合は、特に注意が必要です。
長期的に考えて賃貸需要のある立地条件かどうかを市場調査から慎重に検討すべきでしょう。
相続税対策で節税のために賃貸物件を建築しても、後で負の財産となってしまっては、本末転倒というものです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。