賃貸経営メールマガジン

2018年を前に進む大学の都心回帰

2017/6/1

みなさま、こんにちは。今週は亀田が担当させていただきます。

 

今回は2018年を前に続々と都心回帰を決めた大学について振り返りながら、あらためて2018年問題について考えていきたいと思います。

 

一時的に横ばいで推移していた日本の18歳人口は2018年を境に再び減少に転じます。これを大学受験業界では “2018年問題” と呼んでいるようです。

 

団塊世代が18歳を迎えた1966年のピーク時には249万人いた18歳人口は2016年には119万人となっています。2031年には100万人を割り、2040年には80万人ほどまで減るとされています。

一方で大学の数は増え1990年に507校だった大学数は、2015年で779校まで増加しています。

 

元々は都心にキャンパスを置いていた大学も1959年に工場等規制法が成立し都心における大学の新設・増設が規制されたため、増え続けた学生の受け入れを目指し郊外の広大な敷地に次々とキャンパスを移転しました。

しかし、2002年に工場等制限法が廃止となり一部大学が都心回帰をはじめ受験者数を大幅に増やした成功事例をみて、次々と大学の都心回帰が始まりました。

 

先駆けとなった東洋大学の成功事例をご紹介します。

東洋大学の文系学部は1,2年次が埼玉の朝霞、3,4年次は文京区の白山と学年によって別れていたところを2005年に4年間通じて白山キャンパスとしたところ志願者数を前年度比9%も伸ばすことに成功しました。

共立女子大、東京家政大、立正大、国士舘大でも、移転により志願者が増加しました。

 

【昨年の主な大学移転】

大妻女子大学(比較文化) 東京都多摩市から東京都千代田区へ

杏林大学(外国語、総合政策、保健) 東京都八王子から東京都三鷹市へ

東京理科大学(経営)  埼玉県久喜市から東京都新宿区へ

日本大学(危機管理、スポーツ) 東京都三軒茶屋にキャンパス新設

 

【今年の主な大学移転】

大妻女子大学(社会情報)  東京都多摩市から東京都千代田区へ

東京電機大学(システムデザイン) 千葉県印西市から東京都足立区へ

東洋大学(情報連携) 東京都北区にキャンパス新設

 

大学の郊外移転の象徴的存在であった中央大学は2022年までに法学部を東京都八王子市から東京都文京区に移す計画を発表しています。

今後も都心回帰は続いていき、郊外の学生をターゲットとしたワンルームのアパート等には厳しい経営が強いられるものとみられます。

 

今回は大学についてピックアップしてきましたが大学だけが都心回帰しているわけでは、ありません。

企業の都心回帰も進んでいるのです。かつて首都圏から人口が減り「ドーナツ化現象」と言われていた日本ですが、現在はその逆の都心に人口が集中する「アンパン化現象」が進んでいます。

地方過疎化は加速し空室率の上昇はさらに進むものと思われます。

 

本メールマガジンでも何度もお伝えしておりますが、やはり賃貸経営において最も重要なのは立地です。

内装や設備は後から変えられても立地だけは変えられませんので・・・

郊外に物件を所有されているオーナー様は都心の物件へ資産の組み換えを行うのも一つの手かも知れません。

弊社ではそういったご相談も随時、承っております。

 

それでは、また次回。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

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