賃貸経営メールマガジン

国家戦略特区と旅館業法

トレンド
2014/6/12

皆様こんにちは。本日は和田がお伝えします。

 

2020年東京オリンピックなどに向けて増加する訪日外国人旅行者を主要ターゲットとして、「国家戦略特別区域法」の旅館業法の適用除外を活用し、区域内の賃貸物件の空き室と旅行者をマッチングさせようという動きが始まっています。

国家戦略特別区域である東京都9区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区、渋谷区)、千葉県成田市、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県において空き物件を所有するオーナーと旅行者を宿泊予約サイトを通じてつなげるサービスです。

 

しかし旅館・ホテル業界からの反対は必至です。

今まで旅館業法の法規制のもとで、消防法、食品衛生法、建物の耐震基準など、施設に多大な設備投資をしてクリアしてきたのですから、規制緩和の一言ではとても納得できないでしょう。

現状の宿泊施設では足りない需要のみに対して、空き室を開放しようというのなら話は別なのかもしれませんが、その時の空き室を安い料金で一斉に開放されるかもしれないと考えれば、宿泊料金相場の下落や顧客の流失の危惧は当然であり、東京オリンピックを絶好の稼ぎ時と考えている業界からすればたまったものではないという気持ちもわかります。

 

海外では先行事例があり、東京オリンピックの開催時は宿泊施設の不足が懸念されますので、賃貸物件の空き室とのマッチングは一見合理的な良い話のように思えます。

しかし、日本が世界に誇る安心や安全が疎かになってしまうことがないよう、特に安全面ではさらに十分なルール作りが必要なのではないでしょうか。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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