賃貸経営メールマガジン

どうなる?来春の繁忙期

不動産市況
2013/3/14

こんにちは、今週は清水が担当いたします。

 

早いもので3月も中旬です。“賃貸の繁忙シーズン”はいよいよ晩期を迎えます。

学生需要などは収束していく一方、新社会人の場合ではもうしばらく需要が余る傾向が見られます。

大手などは入社後に配属地が決まるため、新人研修が明けるまでは実家や現状の住まいから通うなどするため、配属先勤務地に合わせた住まいをその間に探すニーズが期待できるためです。

 

ところでご存知の通り、相続税に加え消費税までもが増税確実となりました。

住宅展示場では『今年に入ってさらに建築依頼が急増した』と各社メーカーの営業マン達が口を揃えます。

少し前にこのメルマガでも消費税5%で建てられる建築契約の期限について紹介しました。建てたい需要がこれだけ集中するということは、入居ニーズが再び最高兆となる翌春に竣工を合わせて計画する方も集中すると予測ができます。

 

私はかつて、区画整理地に計画するアパートを担当したことがあります。

区画整理が完了すれば、出来上がりを競うように次々と住宅が立ち上がり始めます。

基礎施工の様子を見に現地へ赴いたとき、周りを見渡せば担当計画地の目の前にも、通りの向こうにも、あちらこちらに新築アパートや新築マンションが完成を前に入居募集をしていました。

それから3か月ほどが経ち再び施工現場を訪れた時、どういうことでしょうか、多くの物件の1階はほぼ未入居のままだったのです。

仲介業者を訪ねると理由は明確でした。なぜなら、少し待てば近隣にまた新しい物件が完成するのを入居者は知っているからです。こうした特殊な市場では、入居まで時間が許す限り、なるべく条件を満たした物件を選びたい入居者心理が顕著に現れるのだと言えます。

 

一度にたくさんの物件が供給されれば、ニーズは分散されてしまいます。

新築という条件が生かされにくい上、敬遠されやすい条件を含む場合はそれが浮き彫りになってしまう危険すら伴います。物件情報を提供する仲介業者に言わせれば、次から次から新しい部屋が供給されるため、ニーズに沿う良好物件から紹介した方が、短期間で成約しやすい上、仲介手数料が満額取りやすい面があるのです。

私の担当物件は自宅併用であったため1階に賃貸3室のみで、やはり懸念はありましたが、駅徒歩2分と利便が良い上、部屋と収納が単身向けの割に広く、1階であるというリスクを払拭できるだけの差別化がなされていたため、3室とも成約を得ることが出来ました。

 

区画整理地は地域が限定された特殊なケースですが、来春の繁忙期については、例年とは違う動向があるのではないかと思うのです。増税は日本全体の話であり、一番賃貸需要の市場規模が大きい東京ほど、周りは新築だらけというようなことが無いとも言い切れません。

そのために、事前に考えられるリスクは芽を潰し、あるいはカバーできる条件のプラスアルファをきちんと計画時から盛り込んでおきたいものです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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