賃貸経営メールマガジン

今後人気になる間取りを検討する

マーケティング
2021/1/7

 

昨今、賃貸住宅市場ではコロナ過の影響での在宅ワーク率の増加により、広いゆとりある間取りの需要が高くなっています。しかし、家族向けのファミリータイプの物件が不足気味です。
それは戸数を増やした方が利回りが高いので、単身タイプの供給が多いからでしょう。
しかしながら、単身タイプは自治体独自で対策をしているところもあり、東京・豊島区は「狭小住戸集合住宅税」(ワンルーム税)を設け、1戸の専有面積29㎡未満の住戸が9戸以上ある集合住宅に、1戸につき50万円の税をかけています。
狙いは狭小な集合住宅の建築を抑制し、ゆとりある住環境の実現を図る、と区では説明。課税の根拠になっているのは、国の「住宅建設五箇年計画」の2人世帯の最低居住水準(29㎡)を挙げています。

 

そこで「1LDK」の間取りの賃貸住宅の需要と供給を再検討したいと思います。
1LDKの間取りは、

 L=リビング(居室)
 D=ダイニング(食事スペース)
 K=キッチン(台所)

で構成され、今日、DKスタイルはすっかり定着して、現在の典型的な住型になっています。
2LDKはLDKに居室が2つプラス、2DKはDKに居室が2つプラスになります。○LDK、○DKとも、○の部分の数字が増える分、居室が増える計算です。

 

一般に賃貸住宅は間取りで分類されて、

ワンルーム、1K、1DK
1LDK、2K、2DK
2LDK、3K、3DK
3LDK、4K、4DK以上

と、部屋数でおおよそ4つのパターンに分けられています。

 

しかし、少子高齢社会のさらなる進行に加えて、今日、賃貸市場のニーズにもはっきりとした変化が出始めています。

晩婚化と離婚率の上昇
賃貸住宅派といわれる、生活にゆとりを求める層の拡大

この視点で住居の関係を見極めていくと、見えてくるのはワンランク上の充実した設備と仕様、そしてゆとりのスペースです。

 

以前ご紹介させていただいた書斎の需要も今後より高まることが予想されています。さらには趣味のスペースとして納戸やガレージも注目が高まっています。

 

従来、余裕のタイプと見られていた1LDKに今、人気が集まりつつあります。そして、市場にはこのタイプの物件が少ないのです。

 

ワンルームイコール1K、1DKから、ゆとりを持たせた1LDKへの発想の転換、すなわち入居者ニーズの選択の変換が求められているようです。
1LDKを建て、高い賃料設定をしたが入居者が思うように集まらないといったことにならないために、需要層を確認する必要があります。
1LDK自体は需要があるのは十分予想されるのですが、どうしてもワンルームと比べると家賃が高くなる。そのために人気があっても実需に直結しない場合もあり得ます。

 

チェックすることは、

30~40歳の単身者の数(世帯数)
年の若い既婚者数(世帯数)
SOHOの数
比較的収入に余裕のある若い層のボリューム

地域の世帯・人口構成はインターネットを駆使すればそれほど苦労なく知ることができます。SOHOの割合や、若い層の実態は町を注意してチェックすればおおよその傾向が分かるかと思います。

 

住居の快適さや心地よさは部屋の広さと大きく関係します。入居者にとって狭いより広いにこしたことはないはず。しかし間取りの広い住居をつくるのはやはり敷地の広さやコストに響きます。幾分なりとも割高になっています。
地域のニーズを汲み取って適正なコストをかけて初めて効率のいい投資ができるのですから、間取り(タイプ)と仕様の決定は、地域の賃貸ニーズを反映させることが第一です。
その土地や周辺状況を的確に把握し、適切な間取りで建築することにより安定した賃貸経営をすることができるのではないでしょうか。
ご検討、ご相談ございましたらお気軽にご連絡ください。

 

最後までお付き合いありがとうございます。

 

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